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電気代値下げのために原発回帰?

2015年6月4日(木)15時現在の各紙サイトより

国内主要紙一面トップ記事、及び社説・主張

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【朝日新聞】
「朝刊一面トップ」
『空自ヘリ横切り離陸中止 直後に別機着陸 那覇空港』
「社説」
『重要影響事態 切れ目なく歯止めなく』
『日韓国交50年 首脳が打開に乗り出せ』

【産経新聞】
「朝刊一面トップ」
『ブラッター会長 辞意表明 FIFA汚職 自身・事務局長にも疑惑拡大』
「主張」
『電源構成 料金値下げの目標を示せ』
『FIFA会長辞意 フェアプレー旗に恥じよ』

【東京新聞】
「朝刊一面トップ」
『年金情報流出 私たちの備えは』(画像あり)
「社説」
『多様な学び法案 子どもが主役の制度に』
『自殺対策決議 思いやりの体制作ろう』

【日経新聞】
「朝刊一面トップ」
『種子島にロケット新基地 宇宙機構 打ち上げ倍増へ』
「社説」
『温暖化抑制へ省エネ強化など具体策を』
『看過できぬロヒンギャの危機』

【毎日新聞】
「朝刊一面トップ」
『滑走路 あわや追突 着陸JTA機 離陸中止機に 那覇空港』
「社説」
『参院1票の格差 自民草案は本末転倒だ』
『日朝合意1年 約束通り、早く結果を』

【読売新聞】
「朝刊一面トップ」
『空自ヘリが離陸妨げる 無許可で横断 全日空機急停止 那覇空港 直後に他機が着陸』
「社説」
『首相の投資要請 生産性向上で人口減に挑もう』
『科学技術計画 若手育成で停滞を打破したい』

きょうの注目記事

「電源構成」について書かれた朝日・産経両紙の社説・主張を見てみます。


【3日付「朝日新聞」社説『電源構成 近未来を考えよう』】

『2030年度の電気をどう賄うかを示す政府の電源構成(エネルギーミックス)
案を経済産業省が示した。原発の割合を20~22%、再生可能エネルギー
(再エネ)を22~24%にする、というのが骨子だ。』

『原発の現状はゼロである。福島第一原発事故への反省をもとに改定した原子炉
等規制法で、原発の寿命は40年に制限されている。これに従えば30年度の
原発比率は15%以下にしかならず、原発を2割以上にするには法律の例外
規定を援用するしかない。』

『構成案は、無理をして原発の比率を増やしていくことを意味する。原発回帰
である。』

『電源構成は、不測の事態で電気が供給できない事態にならないよう、あらか
じめ電気の賄い方を考えておく目標値のようなものだ。政府はこれに基づき、
実現に向けた施策を整える。再エネの課題克服に向けた施策が次々に打ち出せる
ような目標値が今、必要なのではないか。』

『30年度より手前で電力の自由化が実現し、電源間でも競争が生まれる。
リスクの高い原発は今後、商業的に成り立たなくなる可能性がある。』

『自由化を機に、再エネを軸にしたエネルギー産業への参入を考える企業や
地域経済の核にしようという自治体も増えている。原発回帰が新しい成長の芽
を摘みかねないことに、政府は留意すべきだ。』

『議論の出発点は「原発だけが課題を解決する方法ではない」ということに
ある。近未来にふさわしい電源構成を目標に据えるべきである。』


【4日付「産経新聞」主張『電源構成 料金値下げの目標を示せ』】

『家庭や企業は、これからもずっと高い電気代を払い続けなくてはならないのか。
経済産業省が示した2030(平成42)年の電源構成案には、そんな危惧を
持つ。』

『試算では、原発利用によるコストの減少を再生エネのコスト増が相殺し、
15年後の全体の電力コストは、現在とあまり変わらない水準が続くという。』

『電気代を引き下げて国民負担を軽減するには再生エネのコスト削減が急務で、
政府は固定価格買い取り制度を抜本的に見直す必要がある。安全性を確認した
原発を現実に再稼働させる取り組みを強めたうえで、電気代の値下げに向けた
目標を示すべきだ。』

『電源構成案によると、原発は今後も一定規模を活用するとした。資源小国・
日本にとって妥当な選択だ。そのためには原則40年とする原発の運転期間の
延長が不可欠だ。新増設を含めた、長期的な原発政策を打ち出してほしい。』

『一方で、水力や太陽光などの再生エネの導入を拡大し、現在の2倍に高める
としている。環境負荷が小さい再生エネは地域経済の振興策としても期待が
高いが、問題はコストだ。』

『東京電力福島第1原発事故を機に全国の原発が全て稼働を停止しており、
日本の電気代は東日本大震災前に比べて家庭用で2割、産業用は3割も値上がり
している。高い料金水準が将来も続く事態は、国民の理解を得られまい。』

『再生エネの急拡大には買い取り費用の増加に加え、既存の送電網の設備増強
なども必要だ。参入が集中する太陽光については入札制度で事業者を競わせる
など、実情に合わせた買い取り制度の改革も欠かせない。』

『政府は電源構成を3年後に見直すとしているが、電気代を安くするためには
3年を待たず、不断の改革に取り組むべきだ。』


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朝日紙は「脱原発」、産経紙は「電気料金値下げ」を論点にしています。

産経紙は「電気代を安くするために原発再稼動を」としています。

しかし、まず原発再稼動ありきで、それに正当性を持たせるため電気料金値下げ
を謳っているように感じてしまうのは穿った見方に過ぎるでしょうか。


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今回のテーマは、【電気代と原発について】です。


編集後記

錦織圭選手が全仏オープン準々決勝で惜敗しましたが、その原因が「小麦」に
あるとの記事があります。

『ジョコビッチの生まれ変わる食事』という本の翻訳者が書いた記事なので、
その分、割り引いて読む必要もあるかもしれませんが、とても興味深い内容です。

しかし、小麦を断ってしまうというのは、個人的には厳しいかな...。


それでは、また。
あなたに良いことがいっぱいありますよう...。

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