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45年前の天声人語

お元気ですか?
桐鳳柳雨(とうほうりゅうう)です。


ニュージーランドの地震。
いまだに行方のわからない方々がいます。
関係者の想いは、いかばかりでしょう。
かける言葉が見つかりません...。


さて、新聞の話題です。

今回は趣(おもむき)を変えて、まずは「二・二六事件」に関する、朝日新聞「天声人語」の抜粋をご覧下さい。


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『そのころ、不景気はつづき、貧富の差はひどく、財閥は国民にうらまれ、政党は党利党略にはしって、信用を失っていた。』

『多くの国民は議会を見はなし、陸軍内部には皇道派と統制派の派閥争いが深刻だった。』

『二・二六はこういう情勢の中で起っている。』

『シリアにつづいてガーナにクーデターが起った。』

『二・二六もそうだが、議会主義がうまくゆかないところに、クーデターや革命が起る。』

『議会主義による円滑な政権交代ではなく、武力をもっておのれの意志を他人に押しつける政権獲得では、犠牲も振幅も大きい。』

『軍隊に対してシビリアン・コントロール(文官優位)が必要なのはこのためだ。』

『昭和十一年の世相にくらべて現在はどうか。政党は信用を博し、国会は機能を果しているか?』

『政界財界の上層は「歴史の教訓」をよく、くみとってほしいものだ。』


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えっ!?
『シリアにつづいてガーナにクーデター』??

そうです。

この天声人語、実は今から45年前、二・二六事件からちょうど30年後の2月26日に書かれたものなのです。
(ちなみに、私が生まれた日の新聞ということになります)

しかし、何だか今現在のことが書かれているかのようにも思えてきます。

この天声人語は、以下の文章から始まります。


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『雪の朝の凶変、二・二六事件から満三十年である。あの日の衝撃や、それ以降の日本のたどった道を回想すれば、おのずと、深い感慨に沈まざるをえない。』

『筆者は当時、新聞社にはいる直前で、まだ学生だった。』

『その時の気持を正直にいえば、一方では武器を持つものに対する恐怖と不安はありながら、他方では、このクーデターによって、世の中がよくなりはせぬかとの期待もあった。』

『今から考えるとはずかしい話だが。』


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この天声人語の筆者。
もしご存命なら、百歳近くということになりますでしょうか。
二・二六事件を知る人は、もうかなり少なくなっています。

『その時の気持を正直にいえば、一方では武器を持つものに対する恐怖と不安はありながら、他方では、このクーデターによって、世の中がよくなりはせぬかとの期待もあった』
との一節は、リアルタイムに事件を知る人ならではの感想でしょう。


今、アラブ諸国を中心に、独裁政権への抗議の声が上がっています。
中には、政権交代・革命にまで発展した国もあります。

庶民がインターネットによって起こす革命...。

75年前の人たちが知ったら、どう思うのでしょうか。


それでは、また。
あなたに素敵なことがいっぱいありますよう...。


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