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日本の常識は世界の非常識

ご無沙汰しております。
桐鳳柳雨(とうほうりゅうう)です。

野菜や水道水などから検出される放射性物質に関する報道等を見聞きします。

そのため、ミネラルウォーターなどのまとめ買いや、風評被害などが問題となっているようです。

不安視する気持ちはよくわかります。

しかし、そうしてまとめ買いする人たちというのは、それほど日頃から健康に気を遣っている人たちばかりなのでしょうか。

たとえば日頃、喫煙している人、いっぱいお酒を飲む人、お菓子や炭酸飲料に目がない人などが、ごく微量の放射性物質を恐れているとしたならば、それはちょっと違うのではないかと思ったりもします。


ところで先日、朝日新聞の「ニッポン人脈記」というコーナーに、下記のような一節がありました。

『チベット仏教の高僧が教えてくれた修行「トンレン」だ。日本語で「与え、受け取る」という意味だ。(中略)実際にはこんな修行をする。
苦しみの中にある人を想像し、鼻から彼らの苦しみを吸い込む。そしてこうイメージする。彼らの苦しみを、自分の胸の真ん中にある利己心の「黒い光の塊」にぶつける。すると、黒い光は、人の苦しみを受け入れる慈悲の心に変わり、白い光を放つ...。』

私には以前からほぼ毎日、"深呼吸"をするという習慣があるのですが、この記事を読んで以来、深呼吸時に「被災者の方々の苦しみを吸い込む」というイメージで行うようになりました。

それで何が変わるのかというと、何も変わらないかもしれません。
しかし、何もしないよりはいいものと思い、実践しています。

私の胸の真ん中の真っ黒い利己心は相変わらず黒いままですが、いつか白い光を放つようになればと思っています。


さて今回は、少し前の社説ですが、韓国の新聞「中央日報」3月14日付の『大災難より強い日本人』と表題された社説を見てみます。


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『全世界が日本の大地震に2度の衝撃を受けている。 まずマグニチュード9.0の超強力地震がもたらした残酷な被害だ。』

『原発も心配だ。 日本政府は福島原発周辺の住民21万人を疎開させ、海水で原子炉を冷却する非常措置に入った。 不純物の混入で原子炉を事実上廃棄する劇薬処方だ。 日本列島が連日、地震、津波、原発危機に呻吟しているのだ。』

『もっと驚くのは不思議なほど冷静な日本人だ。 死の恐怖の中でも動揺しない。 避難要員に従って次々と被害現場を抜け出し、小学生も教師の引率で列を乱さず安全な場所に移動した。』

『地下鉄・バスの運行が中断すると、会社員は会社から支給された緊急救護物品をかついだまま静かに家に帰った。 みんな走ることもなく3-4時間ほど歩いた。 翌日はいつも通り会社に出勤した。 想像を超越した大災難と日本人の沈着な対応に全世界が衝撃を受けている。』

『私たちは大規模な自然災害が過ぎた後に発生する数多くの無秩序と混乱を目撃してきた。 昨年22万人が犠牲になったハイチ地震がその代表例だ。 「地震よりも無法天地の略奪と暴力がもっと怖い」という声が出てきたほどだ。』

『ハイチが開発途上国だからというわけではない。05年にハリケーン「カトリーナ」が襲った米国のニューオーリンズでも暴力と腐敗が相次いだ。 こうした記憶のため、日本人の冷静さがよりいっそう引き立って見えるのかもしれない。』

『惨状を前に泣き叫ぶ日本人はほとんど見られない。 地震の混乱に紛れて強盗や殺人事件が起きたという話も聞こえてこない。 テレビの画面は、列に並んで救護食品を受け取ったり、売店の前で静かに待った後、必要な分だけ購入していく風景ばかりだ。』

『ただ地震が頻発する日本の地理的特殊性だけでは、こうした現象をすべて説明することはできない。 徹底した耐震設計と速い警報システムが被害を減らしたのは事実だ。 徹底した事前教育と避難訓練も間違いなく力になっている。』

『一つの国の真面目も大事件を迎えてこそ表れる。 それがまさに国民性だ。 全身が凍りつくような恐怖の前で、日本人は落ち着いた国民性を遺憾なく発揮している。』

『1995年の阪神・淡路大地震当時、意外にも20%ほど円高が進んだ。 日本の国民性を誤って判断した海外投資家は痛い目にあった。 最近の円高も国際金融市場が災難の前で団結する独特の国民性を看破したためだ。』

『日本人は沈着な対処で阪神・淡路大地震を乗り越えて自ら立ち上がった。 今回の大地震の傷もいつか治癒されるものと信じる。』

『むしろ私たちは日本を見て、韓国社会の自画像を頭に浮かべる。』

『災難現場でテレビカメラが向けられれば、表情を変えて激しく泣き叫ぶことはなかったか。 天災地変のため飛行機が少し延着しただけで、一斉に大声で文句を言うことはなかったか。 すべての責任を無条件に政府のせいにして大騒ぎしたことはなかったか。 隣国の痛みは考えず、韓国に生じる反射利益を計算したことはなかったか...。』

『私たちは自らに厳しく問う必要がある。 また災難と危機の際、韓国社会の節制できない思考と対応方式を見直す契機にしなければならない。 私たちは依然として日本から学ぶべきことが多く、先進国へと進む道のりも遠い。』


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『ハイチ地震がその代表例だ。 「地震よりも無法天地の略奪と暴力がもっと怖い」という声が出てきたほどだ』
との一節があります。

東日本大震災においても火事場泥棒的な悪行や詐欺行為などが散見されるようですが、ハイチ地震の時のように、救援物資をわれ先にと奪い合ったり、崩壊した商店から商品を略奪したりするようなことは、ほとんどなかったようです。

また、ハイチ地震の時は、「コレラが蔓延したのは海外の救援隊がコレラ菌を持ち込んだからだ」などと言い出す人たちもいたほどです。

前回紹介した事例と同様、この社説でもやはり、日本の冷静さに驚嘆する内容となっています。


しかし裏を返すと、世界各国から見ると日本人のこうした国民性は、極めて「特殊」なものだということになるでしょう。

まさに、「シンジラレナ~イ!」というところでしょうか。

日本の常識は、世界の非常識。

諸外国から復興支援に力を貸していただいている現状においては不適切かもしれませんが、外交交渉を行う際には、こうしたことを念頭におく必要があるものと思います。

良し悪しはともかくとして、日本人の美徳や謙譲の精神は、そのまま世界に通用するものではないということかもしれません。


それでは、また。
あなたに素敵なことがいっぱいありますよう...。
そして、被災された地域の一日も早い復興を願ってやみません。


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