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人民日報紙から見る鳩山氏訪中


さて今回は、少し前の話題ではありますが、鳩山氏の訪中について、18日付「産経新聞」の主張『鳩山氏訪中 あなたは何をしてるのか』と、同日付「人民日報日本語版」の評論『学者:鳩山氏訪中は中日間の難題解決の試み』を見てみたいと思います。


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☆18日付「産経新聞」
『既に議員生活を引退した人の発言をとがめたくはないが、日本の「顔」であった元首相である以上、看過できない。

 鳩山由紀夫元首相が中日友好協会の招きに応じて訪中し、賈慶林全国政治協商会議(政協)主席との会談で、「尖閣諸島は係争地」という認識を伝えたことだ。

 尖閣は歴史的にも国際法上も日本固有の領土である。

 「領有権問題は存在しない」という政府の立場を踏み外し、中国側の意向に沿う発言を行うことがどれほど国益を損なうか。まだ、わからないようだ。

 菅義偉官房長官が「わが国の首相をされた方の発言として非常に残念で極めて遺憾だ」と不快感を示したのは無理もない。

 鳩山氏がいかに国益を害してきたかは枚挙にいとまがない。

 首相当時、唐突に米軍普天間飛行場の「県外移設」を掲げて問題を迷走させた。オバマ米大統領には「トラスト・ミー(私を信じてほしい)」と伝えながら事態を打開できず、日米同盟を空洞化させて、抑止の実効性を損なった。

 昨年4月、民主党最高顧問として政府の承諾を得ずに核兵器開発の疑いが濃いイランを訪問した。国際原子力機関(IAEA)の対応について「二重基準を適用して不公平だ」と語ったとイラン側に発表され、最大限に利用されてしまった。

 民主党代表時代に「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」と発言したことが外国勢力につけ込まれている。

鳩山氏を招いた中国もあらゆるものを利用しようという魂胆が見え隠れしている。尖閣の領有権問題を認めようという日本国内の一部勢力に加担して、国内世論を分断する狙いもあるのだろう。

 首相を辞め、議員引退後も外交にかかわろうとすることに、鳩山氏は終止符を打ってほしい。

 一方、2月に安倍晋三首相特使として訪露し、プーチン大統領と会談する予定の森喜朗元首相が北方領土問題で択捉島を除く国後、色丹、歯舞3島の先行返還に言及していることも懸念される。

 森氏はプーチン氏が領土問題について「引き分け」と語ったことを念頭に「現実的なことを考えた方がいい」と述べたが、日本が原則とすべき4島返還からは大きく外れている。安倍政権の特使にふさわしいか疑問が残る。』


☆5日付「人民日報」
『学者:鳩山氏訪中は中日間の難題解決の試み』の主張

『領土紛争と歴史問題は中日関係の2つの難題だ。鳩山氏は日本の「元高官」の中で、この両難題に正面から向き合う最初の人物だ。(文:陳氷。新京報掲載)

 日本の鳩山由紀夫元首相の訪中は、中日関係の難題の解決を試みる意図が明白だ。鳩山氏が中日間の釣魚島(日本名・尖閣諸島)係争の存在を認めたこと、南京大虐殺記念館を見学して「当時日本兵の犯した犯罪行為におわび」したことは、いずれも中日関係の核心的部分を突くものだ。

 中日関係が厳冬、さらには結氷にまで緊張するのは、領土紛争や歴史問題による事が多い。過去の中日関係の冷え込みは、いずれもこの両要素のうち1つが原因だった。また、この両難題に同時に向き合うことのできる要人は日本の政界にはいなかった。だが鳩山氏は「元高官」の中で、中日関係の両難題に同時に正面から向き合うことのできる最初の人物かも知れない。

 鳩山氏は中日間の釣魚島領土紛争の存在を認めた上で、領有権紛争の存在を認めなければ、釣魚島問題の対話による平和的解決はできないと日本政府に注意を促した。

 鳩山氏の卓見は日本政府の見解とは異なるが、客観的で、現実に正面から向き合うものだ。鳩山氏の「個人的立場」に過ぎないとはいえ、別の考え方と道を切り開き、釣魚島問題の平和的解決に向けた現実的出口を探るよう日本政界に影響を与えうるものだ。

また、日本の戦争犯罪を認め、南京大虐殺記念館を訪れておわびした日本の元首相は村山富市氏と鳩山由紀夫氏の2人しかいない。海部俊樹氏は大虐殺記念館を訪問しただけで、歴史問題について正式の「談話」は発表していない。

 鳩山氏の訪中は、すでに日本で反発を呼び、口汚い罵声が絶えない。鳩山氏が釣魚島の領有権争いの存在を認めたことは、自国メディアに「政治的譲歩」と評された。戦争の歴史についておわびしたことは、一部右翼から「絶対的誤りであり、政治的自覚を欠いている」と批判された。日本の一部ネットユーザーは鳩山氏の外交を「幼稚で愚か」「対中屈服」と批判し、「国賊」とすら呼んでいる。

 これらはいずれも予想できたことだ。だが中日関係が厳しい試練に直面する今、一部の人が勇敢に立ち上がり、現実に正面から向き合い、問題解決の新たな道を探る必要がある。現実に正面から向き合う鳩山氏の勇気は東アジアの平和・繁栄・安定の長期的利益に合致するものであり、中日両国人民から支持されるのが当然だ。

 鳩山氏に続き、村山富市元首相と自民党の加藤紘一元幹事長、そして公明党も訪中を計画している。これは中日の政府・民間の交流チャンネルがまだ滞りなく通じていることを物語っている。こうした一連の訪中によって、安倍政権が少しは啓発され、強硬路線からの引っ込みどころを探り、日本経済の発展に精力を注ぐよう望むばかりだ。

 現在は同胞に「国賊」と見なされる恐れがあっても、将来中日関係がいくらか好転したとき、人々は鳩山氏訪中の意義をもっと深く理解できるかも知れない。』


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両紙の主張の是非以前に、鳩山氏のこれまでの言動には、個人的に首を傾げざるを得ない点が多くあります。

産経紙が指摘している「トラスト・ミー」発言やイラン訪問、或いは反原発デモに混じっての政府批判など。

鳩山氏の主張の内容がどうだということではなく、場当たり的というか思いつきというか、どうしたらできるだけ多くの人に好かれるかという考えからの行動でしかないように思えてしまいます。

しかも、好いてくれる対象がどんな人なのかということにはお構いなしで、とにかく多数の人に支持されたいというような。

県外移設と唱えて沖縄県民の歓心を得ようとしながら結局アメリカの言い分を受け入れてしまったり。
今回の件にしても、単純に人口が多い中国側に立ったほうが支持者が多いから程度の発想によるものと思えて仕方ありません。

もしかしたら「学べば学ぶほど尖閣諸島が係争地であるとわかった」と仰るのかもしれませんが...。

尖閣諸島や日中間の歴史に対する考え方は人それぞれでしょうが、くれぐれもご自身が日本国元首相であったということはお忘れなきよう願いたいものです。

あ...。
忘れていないからこそのパフォーマンスかもしれませんね。


それでは、また。
あなたに素敵なことがいっぱいありますよう...。


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