新聞の社説から世の中を見る【世界の新聞「101紙」の視点】

世界の新聞の社説・TOP記事をあなたに

岩手日報から見る小沢氏強制起訴

お元気ですか?
桐鳳柳雨(とうほうりゅうう)です。


大相撲が八百長問題で大揺れのようです。

「よそ行き」のコメントもいろいろと言えますが、個人的な本音を言えば「どうでもいい」というところでしょうか。

こう書くと、何だか大相撲に関心がないように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。

大相撲観戦は、昔から好きです。

八百長問題は、今に始まったことではないと思います。

賭博事件もそうですが、「知っている人なら知っていることを白日の下にさらされた」ということなのでしょう。

少なくとも世間に知れ渡った以上、やはり責任は負わねばならないと思います。


個人的には、「大相撲は今後どうなるべきか」などという意見はありません。

世間が納得するような形になればいいと思っています。

公益法人の認可が取り消されようと、単なる興行団体になろうと、伝統芸能になろうと、どうでも構いません。

今後も、面白ければ観るし、面白くなければ観ない。
それだけのことです。

最悪、大相撲が廃止ということになったとしても、数十年後に「昔は大相撲というのがあってねえ...」と懐かしむ年寄りになればいいと思っています。

もしも大相撲が存続不可能ということになったとしたら、結局、今の世の中にそぐわない存在だったということなのでしょう。


本気でこの問題に取り組むのなら、力士や親方の全ケータイを没収して調査するくらいのことをしてもいいかもしれません。

もしも、最近になって急に機種変更などする力士がいたら...。
ちょっと怪しいですね。


ところで、「大相撲の不祥事」と「時の政権与党の危機」とを見比べてみると、なかなか興味深いです。

以下、最近の事例を取り上げてみます。


「2007年6月~7月」
政治:参院選で自民党が惨敗、民主党が第一党になる。
大相撲:休場した朝青龍がモンゴルでサッカー。及び「かわいがり」事件。

「2008年8月~9月」
政治:福田内閣総辞職。
大相撲:力士の大麻事件。

「2010年1月」
政治:小沢氏の資金管理団体の土地購入疑惑で、元私設秘書が逮捕。
大相撲:朝青龍の暴行事件、引退。

「2010年5月~6月」
政治:普天間基地移設問題。及び鳩山首相辞任。
大相撲:暴力団との交際問題

「2010年6月~7月」
政治:参院選で、民主党が過半数割れ。
大相撲:野球賭博問題。

「2011年1月」
政治:小沢氏強制起訴。
大相撲:八百長問題。


「小沢氏起訴」を「与党の危機」とするのは異論もあるでしょうか。

これらは単なる偶然なのでしょうが、何だかいつも、政権与党にトラブルが生じると、直後に大相撲で不祥事が発生するという印象があります。

「だったら、政権交代した2009年9月にも大きな問題があってもよさそうじゃないか?」
と、思われるかもしれません。

しかしこの時は、「どちらが次期与党になるのかハッキリしなかったから」と考えるのは穿ちすぎでしょうか。


くだらぬ邪推は、このくらいにして...。

小沢氏強制起訴について。

主要各紙は、以下のような社説を掲載しました。

朝日「小沢氏起訴 市民の判断に意義がある」
産経「小沢氏強制起訴 やはり議員辞職しかない 国民代表の結論無視するな」
東京「小沢氏強制起訴 「無実」なら説明厭うな」
日経「民主党は小沢元代表の起訴でけじめを」
毎日「小沢元代表起訴 まず離党してけじめを」
読売「小沢氏強制起訴 政治的なけじめをつける時だ」

説明責任を追及するものから議員辞職を迫るものまで様々ですが、「小沢が悪い」という点では、各紙の論評が一致しているようです。

あまりにみんなが同じ方向を見ていると、つい反対方向を見てしまいたくなるアマノジャクの私としては、どうもこの「一体感」が好きになれません。

そこで、小沢氏の地元「岩手日報」の、
『小沢氏起訴と国会 「推定有罪」の論を疑う』
と表題された論説を見てみます。


----------------------------------------------------------------------

『民主党の小沢一郎元代表が被告になった。衆院議員石川知裕被告ら元秘書3人が起訴された資金管理団体の収支報告書虚偽記入事件で、一般市民で構成される検察審査会が強制起訴を議決したためだ。』

『有罪が確定するまでは被告を罪人として扱わないという「推定無罪」の原則はとみに有名だが、検察が起訴すればほぼ確実に有罪となるのが日本の刑事裁判。』

『検察の判断が有罪、無罪を方向付けるに等しい現状で、被告の立場に身を置くことが当事者に及ぼす社会的ダメージは大きい。』

『民主党内では、小沢氏に離党を促す動きが加速するだろう。勧告を求める強硬論もある。野党側はさらに厳しい。自民党の逢沢一郎国対委員長は、他の野党と共同で議員辞職勧告決議案の提出を検討する方針を表明している。』

『現職の国会議員が起訴される事態の重大性は言うまでもない。』

『「政治とカネ」に関して、共同通信をはじめとする各種世論調査が、こぞって小沢氏に厳しいことを勘案すれば、被告となった同氏への厳しい対応は多くの国民の心情とも合致するだろう。』

『しかし今回は、検察が2度にわたり不起訴にしており、検察が主導した場合の「99・9%の有罪率」という論拠で小沢氏の有罪を疑うのは無理がある。』

『加えて元秘書の供述調書の信用性が疑われる事態が顕在化。従来に増して「推定無罪」の原則を意識すべきケースと言える。』

『2009年5月の裁判員制度施行と同時にスタートした新たな検審制度は、検察の決定を評価する「市民感覚」に権限を持たせた点で画期的だが、実際の裁判が「感覚」で行われないのは当然だ。』

『自らの政治資金にかかわって元秘書らが起訴された問題で、政治家として小沢氏が負う責任は重い。しかし本来、それは本人の法的責任と同一ではない。』

『それが政治の場で混然と論じられることで、われわれ国民は幻惑されている面があるのではないか。』

『検審の議決に伴う起訴を根拠として政治家に離党や議員辞職を迫ることは、それによって政治がよくなるかどうかという問題とは別次元で「疑わしきは罰する」という風潮を助長するようでもある。』

『小沢氏の現在の境遇が、世論調査が示す多くの国民の意思を顧みず、国会での説明を拒み続けていることに起因するのは確かだろう。検審の議決は、その姿勢を疑う「市民感覚」の反映とも言える。』

『ならば国会は、そうした国民の意思に応えているか。離党にせよ辞職にせよ、それで幕を引くなら「小沢問題」は単に政争の具でしかないことを白状するようなものだ。』

『「政治とカネ」では、鳩山由紀夫前首相も偽装献金問題で、検審から「不起訴不当」と議決されたほか、野党側にも捜査が及んだ経緯がある。』

『各党が公約する政治資金規正法見直しも議論が進まない状況で、小沢氏の問題は与野党問わず政治が全体で負うべき問題と思うのが、まっとうな国会議員の発想だろう。』


----------------------------------------------------------------------

岩手日報は時おり、小沢氏を擁護する論説を掲載することがあるように見受けられます。

論評の是非はともかくとして、批判一辺倒ではないこうした視点を提示することも、メディアとしては必要なのではないでしょうか。


それでは、また。
あなたに素敵なことがいっぱいありますよう...。


【国内主要6紙リンク】

【朝日新聞】 トップ 社説

【産経新聞】 トップ 社説

【東京新聞】 トップ 社説

【日経新聞】 トップ 社説

【毎日新聞】 トップ 社説

【読売新聞】 トップ 社説


【新聞コラム社説リンク】

国内主要紙・地方紙の社説・コラムへのリンク集です。
業界紙・英字紙にもアクセスできます。
新聞コラム社説リンクより


【国内政党機関紙の主張】

「公明党」機関紙 【公明新聞】

「日本共産党」機関紙 【赤旗】


【米中韓メディア"日本語版"リンク】

【アメリカ】
「ウォール・ストリート・ジャーナル」 トップ 社説
「CNN」
「ブルームバーグ」

【中国】
「人民日報」 トップ 評論
「新華社新華網ニュース」
「チャイナネット」
「大紀元」
「中国国際放送局」

【韓国(三大紙)】
「中央日報」 トップ 社説
「朝鮮日報」 トップ 社説
「東亜日報」 トップ 社説


【海外ニュース関係サイト】

【ニュース海外トピックス】
Yahoo
livedoor
Infoseek楽天

【ニュースダイジェスト】
英国
フランス
ドイツ


日本語で読む中東メディア
世界の新聞は何を言っているか?
世界のビジネスニュース「通商弘報」
タイの地元新聞を読む
暗いニュースリンク
シオンとの架け橋(イスラエルニュース)


【その他、日本語による海外情報サイト】

ロイター
U.S. FrontLine(アメリカ)
羅府新報(ロサンゼルス)
ハワイ報知(音が出ます)
ル・モンド・ディプロマティーク(フランス)
スペインニュース・コム
スイスインフォ
ポートフォリオ・オランダ
ポートフォリオ・ベルギー
バチカン放送局
JSN(ロシア経済情報ナビ)
25today(オーストラリア)
香港ポスト
朝鮮新報(朝鮮総連機関紙)
まにら新聞(フィリピン)
バンコク週報(タイ)
南国新聞(マレーシア)
星日報(シンガポール)
じゃかるた新聞(インドネシア)
ベトナムニュース
カンボジアウォッチニュース
ブルネイ友好協会
インド新聞
サンパウロ新聞(ブラジル)


Newseum「Today's Front Pages」(英語、及び現地語表記)

OpinionSource「Today's Newsletters」(英語表記)

以下、テキストやウェブページをその場で翻訳できるサイトです。
Google翻訳 Infoseek楽天マルチ翻訳

メルマガ登録解除
バックナンバーpowered by まぐまぐ!
まぐまぐ殿堂入り
メルマガ購読
世界の新聞「101紙」の視点

読者登録規約
バックナンバー
powered by まぐまぐ!
サイト内検索
カレンダー
最近のブログ記事
カテゴリー
月毎アーカイブ
ホームページ作成 大阪

このページのトップへ