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公教育への不信について

【国内主要6紙の本日の社説】

2009年7月20日

(以下、掲載順は日々変更)

【朝日新聞】
『コンテナ車事故 安全まで封印するな』
『新生あおぞら 戦後金融の遺制を超えよ』
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【産経新聞】
『防衛白書 日米で海の守りの強化を』
『月着陸40周年 日本が宇宙開発担う時代』
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【東京新聞】
『『きぼう』完成 将来の月探査に生かせ』
『北朝鮮制裁 監視は核技術流出にも』
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【日経新聞】
『チェンジ!少子化 公立校の魅力高め教育不安をぬぐえ』
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【毎日新聞】
『新職業教育校 既存の学校では無理か』
『景気のいま 政策の空白を招くな』
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【読売新聞】
『殺人時効廃止 犯罪被害者の声を尊重した』
『皆既日食 宇宙を楽しむ絶好の機会だ』
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独断と偏見はご容赦!【最近の社説の、ここに注目】

20日付「日経新聞」
『チェンジ!少子化 公立校の魅力高め教育不安をぬぐえ』の社説。


『子どもの教育にはたいへんなお金がかかる。こう思わない人はいないだろう。そうした不安が少子化の一因になっているのは間違いない』

私にも小学生の子供がいるが、この一節には共感する。


『この背景には学力や「いじめ」問題などをめぐる公教育への不信がある』
『多くの親が(中略)負担に耐えながらなお「脱・公教育」を目指すのは、それに見合う成果が期待できるからだ』

私立校に進学させるために教育にお金をかける家庭も多いことと思う。

先々、いわゆる一流大学に進学させたいがためにそうしている親御さんも多いかもしれないが、「近隣の公立学校には行かせたくない」という声もよく聞く。

私の学区域の公立中学生なども、よく屯(たむろ)してタバコを吸っているところを目撃されている。

もちろん、公立校にも教育熱心な先生や勉強・スポーツに励む真面目な学生さんもいるのだろうが、一般的には「ガラが悪い」という印象を持たれているところも多いように感じる。

また、公立校では、真面目な生徒ほど「いじめ」の被害に遭いやすいという話もよく聞く。

「学力向上」という、共通の価値観を持つ生徒や親御さんの多い学校に進学させたいと願う家庭も多いようだ。

これは蛇足だが、公立校における「君が代・日の丸強制」が教育として役立っているという意見を聞くことがある。

しかし、その「効果」を実感することは非常に少ないように思う。


『戦後の教育行政は文科省が学習指導要領で細かなカリキュラムを定めて学校現場を拘束し、教科書検定を通してそれを補強し、教員の養成や登用も免許制度によって一元的に進めるといったやり方が続いてきた』
『こうしたシステムが均質な教育を保証してきた面はある』

この視点は外すべきではないだろう。

ある程度の「拘束」が、『均質な教育を保証してきた』という部分は大きいと思う。

しかしそれも、あくまで「ある程度」だろう。

そうしたシステムにおける弊害や、拘束の及ぶ範囲やその度合いについての問題点も表れてきたというところだろうか。


『もっとも、公教育離れの底流には「どんなに無理をしてでも有名大学へ」というブランド志向もある。それを支えているのは、企業などが人材採用にあたって出身校にばかり目を向ける現実にほかならない』

『親の経済力によって子どもの将来が左右され、それが次の世代でも繰り返されていくとすれば社会は活力を失う。そんな傾向を断ち切るためにも企業は人材登用の尺度を見直していくべきだろう』

この一節にも、とても共感する。

なぜ、一流大学に進学させたいのか。
要するに、よい仕事に就けるようにということなのだろう。

現実問題として就職については、「大学新卒」と「それ以外」において、大きな格差がある。

一度「大学新卒」のタイミングを逃してしまうと、あとでそれを挽回することは非常に困難となる。

逆を言えば、「一流大新卒」というチケットを一度手にさえすれば、その後の人生を歩んでゆく上において、とても有利に働くということになる。

確かに、一流大学を卒業するような人のほうが、採用する側にとっては「安心」だろう。

本人の学力・能力や、育った家庭の状況なども、おおよそ見当がつく。

そうした、採用する側の気持ちはよくわかる。

しかし、「一流大新卒」という機会を逃した人の中にも、有能な人材はたくさんいるはずだ。

企業には、こうした人にもチャンスを与えるなどして、人材発掘の努力をしてもらいたいものと思う。

『それはまた、遠回りでも少子化を乗り越えるためのひとつの手立てとなるはず』であり、企業にとってもプラスとなるのではなかろうか。


企業上層部の方々がよく読むと思われる日経紙が、こうした主張をしてくれると心強い。


今日の雑感

ゴルフにはあまり興味ない私ですが、昨夜というか今日未明、たまたまチャンネルを合わせた「全英オープン」には、思わず見入ってしまいました。

トム・ワトソン。
「新帝王」との異名がありますが、もう60歳間近です。

惜しくもプレーオフで優勝は逃しましたが、最後の最後まで「夢」を見させてくれました。

深く刻まれた顔の皺。
緊張やプレッシャー、動揺などを表すことのない、抑制された振る舞い。

経験・技術を積み重ねた「大人の男」を、そこに感じました。

最後はついに、張り詰めていた緊張の糸が切れてしまったような感がありましたが、このあたりは年齢によるものでしょうか。


プレーの合間合間に垣間見える、対戦相手を気遣うマナー。
健闘をたたえ合うプレーヤーたち。
最終ホールのグリーンで、ワトソンをスタンディング・オベーションで迎えるギャラリー。

ゴルフというと、「マナーの悪い日本の中年オヤジ」を連想してしまう私でしたが、本来言われている「紳士のスポーツ」たるゆえんを感じ取ることができました。


【本日、あなたが最も共感しなかった社説は?】


2009年7月20日












締切:2009年07月21日22時00分
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