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道徳の教科化「多様な個性」か「規範意識」か

2015年2月7日(土)14時現在の各紙サイトより

国内主要紙一面トップ記事、及び社説・主張

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【朝日新聞】
「朝刊一面トップ」
『18歳選挙権、今国会成立へ 6党一致、来夏参院選にも』
「社説」
『邦人救出 地に足のついた議論を』
『NHK会長 向き合う先は視聴者だ』

【産経新聞】
「朝刊一面トップ」
『辺野古埋め立て 承認撤回なら訴訟検討 防衛省、沖縄県に対抗策』
「主張」
『死刑判決破棄 永山基準見直しも議論を』
『道徳の教科化 偏向排し心に迫る授業に』

【東京新聞】
「朝刊一面トップ」
『政令へ反映 制度形骸化裏付け 意見公募 公表遅れ25%』
「社説」
『代表監督解任 失態から多くを学べ』
『PC遠隔操作 誤認逮捕の教訓を刻め』

【日経新聞】
「朝刊一面トップ」
『農協改革、大筋決着へ JA全中の監査権限撤廃』
「社説」
『大詰めのTPP交渉を決着に導くには』
『光回線開放で新事業の創出を』

【毎日新聞】
「朝刊一面トップ」
『近所の22歳男を逮捕 小5刺殺の疑い』
「社説」
『電源構成の議論 安全の確保が出発点だ』
『北方領土 70年を打開の節目に』

【読売新聞】
「朝刊一面トップ」
『脱時間給 年収1075万円以上 最終報告書案 有休5日消化義務』
「社説」
『地方分権改革 「農地転用」移譲を足がかりに』
『最高裁死刑破棄 裁判員に公平と慎重さ求めた』


きょうの一言

6日付「東京新聞」『道徳の指導案 多様な育ち妨げぬよう』の社説と、
7日付「産経新聞」『道徳の教科化 偏向排し心に迫る授業に』の主張の
対比が興味深いです。

以下、一部抜粋してみます。


【6日付「東京新聞」『道徳の指導案 多様な育ち妨げぬよう』】

『小中学校の道徳の教科化に向けて文部科学省が公表した学習指導要領改定案
には、徳目を表すキーワードが並ぶ。それ自体は大切な価値だが、国にとって
望ましい人間像ばかりが強調されては困る。』

『子どもの学びをどう評価するかや教科書の検定基準をどう作るかはこの先、
専門的に検討される。未成熟な人格に働きかけるきわめて繊細な領域である。
慎重を期さねばならない。』

『現行の要領とは違い、改定案で目を引くのは、子どもが学ぶべき道徳性を
示すキーワードを列挙している点だ。』

『例えば、中学校向けでは「思いやり、感謝」「友情、信頼」「遵法(じゅん
ぽう)精神、公徳心」「感動、畏敬の念」という具合に分かりやすい。』

『半面、先生がこうした言葉に引きずられ、個々の徳目を説き伝えれば道徳性
が養われるとする徳目主義に陥る恐れがある。それでは生きた道徳教育になら
ない。』

『貧困や虐待、いじめ、障害などに苦しんでいる子どもがいるかもしれない。
「克己と強い意志」や「家族愛」といった徳目の取り上げ方を誤れば、かえって
自責の念を強める結果になりかねない。』

『子どもの実生活から離れ、教科書の偉人伝や例話を手本とする授業にばかり
偏っては、価値観や生き方を束縛して危うい。教育勅語を背骨とした戦前の
修身科の過ちを忘れるべきではない。』

『その教訓に学ぶとすれば、これからの道徳教育で重要になるのは、子どもに
「常識」を疑う力を身につけさせることではないか。国や社会はもちろん、
先生や教科書がいつも正しいとは限らないと批判的に見て、考える力である。』

『道徳科は「国を愛する態度」をも、子どもに求める。多様な個性を育み、
主体性を伸ばすというのであれば、さまざまな議論があってしかるべきだろう。』

『学校や家庭、地域での生の体験や情報から課題に気づき、考えを磨く営みが
欠かせない。グローバル時代だ。既成の権威や価値観にとらわれない徳性が
問われる。』


【7日付「産経新聞」『道徳の教科化 偏向排し心に迫る授業に』】

『戦後の教育は個性の尊重に目が向き、規範意識や公共心を育てる指導がおろ
そかにされてこなかったか。これを見直す前進であり評価したい。』

『改定案では「自由と責任」「思いやり」「公正」など、自分自身や友人関係
だけでなく、社会との関わりや自然・生命の崇高性に関する徳目を例示し、
各学年での指導を分かりやすく示した。教科書や授業に十分生かしてほしい。』

『戦後、道徳教育の充実が求められながら、正式な教科とされなかったのは
「価値観の押しつけ」などの批判が根強かったためだ。』

『6日から始まった日教組の教研集会でも、委員長が「価値観を押しつける
ような教育」に疑問を示したようだが、徳目の大切さを語り、指導することは
けっして「押しつけ」ではない。』

『いじめ事件などで善悪や勇気、正義などを毅然(きぜん)として教える教育
が一層求められる。指導すべきことをためらい、子供の顔色をみるような風潮
や、教師の独りよがりの授業こそ改めるべきだ。』

『改定案では、「考え、議論する授業」を重視するという。子供たちがさま
ざまな情報に接する中で必要なことだが、好き勝手に言い合うばかりの授業
では困る。』

『考えるうえで心棒となる徳目の大切さをいかに示せるか。指導力が問われ、
教師自身の識見を磨くことが何より欠かせない。』

『戦後、あまり語り継がれなくなった心に迫る先人のドラマも発掘し、過去の
英知を伝え、何が大事かを考える授業としたい。』

『家庭の役割が重要なことは言うまでもない。道徳教育充実が急務なのは家庭
の教育力低下の裏返しだ。「うちの子」ばかりを心配するような一部の親の
意識も改め、学校と協力してほしい。』


あなたは、どちらの主張に共感しますか?

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