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人民日報から見る「沖縄ノート」判決

ご無沙汰しております。
桐鳳柳雨(とうほうりゅうう)です。
最近は、「月刊」となってしまってますね。(苦笑)


唐突ですが、沖縄料理はお好きですか?
お好きな方ならご存知でしょうが、「豆腐よう」というのがあります。

その存在は以前から知っていたのですが、どうにも落語の「酢豆腐」が連想されてしまい、進んで「食べよう!」という気にはなれませんでした。

しかし先日、"知り合いの知り合い"が開いている沖縄料理の店にいった際、思い切って注文してみたのです。

うん...、悪くない...。
...というより、うまい!

変な表現ですが、ウニを泡盛で漬けたような味がしました。
発酵食品好きな人なら、けっこうイケそうです。

他にも、いろいろ珍しい料理・酒を堪能しました。

ちなみに、行ったお店は、ここ。
島豚家 ありがとん
東京・大久保にあります。

「弊誌の読者は500円割引」...というようなことを頼めるほど親しくはありませんが、その分、特別な義理や利害関係もありません。

比較的公正な立場から見てもオススメできる店だと思いますので、よろしかったら一度行ってみてはいかがでしょうか。


さて、今回は少し前の話題ですが、4月26日付「人民日報日本語版」の、『「沖縄ノート」勝訴になぜ誰も注目しないのか』という記事をご紹介します。


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『大江健三郎氏の「沖縄ノート」をめぐる訴訟は6年を経て、22日に大江氏および日本で最も人文伝統を備える出版界の要・岩波書店の勝訴が確定した。』

『最高裁は太平洋戦争末期の沖縄戦における沖縄住民の集団自決に日本軍の関与があったことを認め、「沖縄ノート」の記述は他者の名誉を毀損していないとして、原告の上告を棄却する決定を出した。』

『「沖縄ノート」は琉球が日本に組み込まれた過程を論述し、沖縄戦の悲劇および沖縄人のたどった運命は近代化以来の日本の皇民化教育の結果であると指摘。』

『さらに米軍基地としての沖縄および米国から施政権返還された沖縄県民は戦後の延長状態にあるとして、核時代の東アジア体制における沖縄の駒としての役割と捨て子としての運命を明らかにしている。』

『再び戦争の国にならないよう、日本人に歴史の教訓を心に刻ませることがその狙いだ。同書およびそれをめぐる訴訟は深い意味を含み、本来幅広い社会的関心を引き起こしてしかるべきものだ。』

『だが日本の大手各紙は判決結果を普通のニュースとして扱い、画一的配信の形で報じるだけで、訴訟の焦点、判決確定後の原告、被告双方の反応およびその意義については、できるだけうやむやにしている。』

『また、中国の主要メディアも「沖縄ノート」訴訟にほとんど注意を払っていないようだ。』

『これは中国のメディアや学界が長年沖縄問題をおろそかにしてきたことと関係がある。多くの中国人にとって沖縄問題は日本の内政問題に過ぎず、中国とは無関係なものだ。こうした軽視は一方は故意、一方は無知によるものだ。』

『このためわれわれは「大江健三郎・岩波書店」沖縄訴訟の意義を探求する必要がある。』

『まず、今回の判決は日本の文部科学省が歴史教科書を審査する際の参照となり、沖縄問題を教科書に正しく記述させる上でプラスだ。』

『しかし、4月初めに審査を通過した教科書は、依然として沖縄住民が日本軍に集団自決を強制された歴史を改竄している。』

『原告も訴訟の目的は個人の名誉回復のみではなく、訴訟を1つの事件にして、教科書から「命令」「強制」などの表現を削除するよう促し、歴史教科書を改めることで、国民の歴史認識を再形成することにあると言明している。』

『歴史教科書審査の問題と表裏の関係にあるものとして、日本軍の名誉回復、改憲、日米同盟は維持か改変かなどの問題もある。』

『大江氏の勝訴は戦争責任を逃れ、戦争へ向かおうとする日本の企みを粉砕する上でプラスだが、訴訟から認識論の根本的な変革までには、まだ相当長い道程を要する。』

『次に、大江氏の勝訴は市民運動の発展をさらに促し、市民社会による戦争阻止の動きを促す上でプラスだ。』

『「沖縄ノート」をめぐる訴訟の過程で大江氏は市民から広範な支持を得た。東京に「首都国会」、全国各地に様々な形式の支援連絡会が設けられた。』

『日本の民衆はかつて侵略戦争を積極的に支持した。これは否定を許されない事実だ。』

『だが彼らは集会や講演を通じて大江氏と連携し、関連知識や歴史認識を深めた。』

『さらに重要なのは、勝訴によって沖縄問題が再び人々の前に示され、日本政府に米軍基地を調整、削減、廃止し、日米安保条約の下で沖縄が強いられてきた多大な犠牲を明確に指摘することを人々が切望していることだ。』

『われわれは早くから注目していたことだが、日本メディアが大江氏の訴訟をないがしろにしている理由は、日本政府との間に「政府の方針に反する社会運動は一律報道しない、または控え目に報道する」との黙約があるからだ。』

『こうした姿勢は日米安保条約関連の社会運動で特に顕著であり、その最たるものが沖縄報道だ。』

『ここで覆い隠そうとしている問題は、日本政府は自らが米国の世界戦略遂行のアジアにおける道具であり、米軍基地に生活する沖縄人が臨戦態勢下でいつでも生命の危険に直面しうるとの事実を無視していることである。』

『ここには歴史と未来の方向性に対する日本の認識の謎が秘められている。』

『大江氏の勝訴が確定したとはいえ、その明らかにした問題は未だ解決されていない。われわれが大江氏の新版「沖縄ノート」の登場を待ち望むのはこのためだ。』


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『日本の大手各紙は判決結果を普通のニュースとして扱い、画一的配信の形で報じるだけで、訴訟の焦点、判決確定後の原告、被告双方の反応およびその意義については、できるだけうやむやにしている』
との一節。

確かに、これまであれほど「軍関与」ということに過敏に反応していた右系紙からも、反論の声が聞こえてこないように思います。

たとえば、産経紙。

今年1月には、『沖縄戦展示 政治主張で史実歪めるな』という社説を掲載しておりました。

しかし、今回の判決については私の知る限り、社説掲載はなく、記事としても『画一的配信の形で報じるだけ』のようになっていると思います。

他の主要紙も、おおむね同様です。


ちなみに沖縄の地方紙では、さすがに社説で取り上げています。

4月23日付「沖縄タイムス」『[「集団自決」訴訟]消耗戦を終わらせよう
同日付「琉球新報」『大江さん勝訴 軍関与認める司法判断

もちろん両紙とも、判決を支持するという内容です。


人民日報紙が『早くから注目していた』ように、日本メディアには、
『日本政府との間に「政府の方針に反する社会運動は一律報道しない、または控え目に報道する」との黙約がある』
のでしょうか。


それでは、また。
あなたに素敵なことがいっぱいありますよう...。


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