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ソニーの凋落について

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今回は、ソニー社債の格下げについて、中国紙・韓国紙の視点から見てみたいと思います。


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☆1月30日付「人民日報日本語版」評論
 『日本のスター企業、かつての勢いを取り戻せるか?』

『 ムーディーズは1月27日、ソニーの格付けを「投機的な水準」に引き下げた。これまでに築かれたパナソニックやシャープなどの「ガラクタの山」に、新たに日本の有名企業が加わったことになる。これらの企業はかつて、世界の投資機構が追い求めるスター企業であった。各社の栄枯盛衰にはそれぞれの原因があるが、日本の製造業に存在する深い問題が反映されている。人民日報が伝えた。

 まず、日本の産業構造は、製造業の発展にとって不利である。日本は戦後の廃墟の中から急速に台頭し、その国民総生産は1968年に世界2位となり、この座を40年以上も維持した。しかし製造業を含む日本社会全体は、追いつき追い越せという発展モデルから抜け出さず、後発者の優位が際立っていった。1970年代中頃、日本が世界を追い越す時代が終了すると、政治家は大きな構造調整の必要性を意識した。1986年4月以降、日本は内需主導型の経済成長へのモデルチェンジを開始した。しかしこのモデルチェンジはすぐに中身が変わり、構造に調整は見られず、むしろ内需拡大の名義により公共投資を大幅に拡大した。同時に、いわゆる円高不況を乗り切るため、日銀は金利を引き下げ、通貨の水門を開いた。その結果、バブル経済が引き起こされた。バブル経済は約4年も続き、その後遺症はいつまでも消えることがなかった。巨額の不良資産が証券・銀行業などの非実体経済に、そして日本の実体経済にも大打撃を与えた。日本の製造業は、これより下り坂に入っていった。

 次に、日本社会は発明と創造に伴う「試験的な失敗」を許そうとしない。製品のモデルチェンジは小規模な改良に留まり、真の意義での科学技術および産業の革新が不足した。客観的に見て、日本の製造業は非常に堅固な基礎を持っており、「世界一流」という地位に挑戦する最も強い潜在力を持っている。生産能力が大幅に増加し、効果的な需要が不足していく国際市場において、企業のイノベーション力は競争で主導権を握るカギとなっている。当時の日本は「米国を買い占める」ほどの資金力を持っており、革新産業に大規模な投資を行う実力があったが、最終的には新しい発展の空間を切り開けなかった。大幅な円高という市場環境において、日本企業は貿易摩擦を回避するため欧米に投資し、また安価な労働力資源を求め新興市場に投資した。その結果、自国の産業構造のアップグレードが低迷に陥り、製造業が前進の大方向を見失った。

 さらに、日本企業の官僚的なやり方は、革新的な精神を持つ指導者を受け入れがたい。日本の家電産業全体が、アップル1社によって崩壊させられた。ジョブズ氏が一人で、日本の一つの産業を崩壊させたのだ。このような言い方は必ずしも適切ではないが、イノベーション力を持つ人材の重要性と、革新的な製品が持つ破壊力を示してはいる。報道によると、ソニーにもかつてジョブズ氏のような人物がいて、副社長の地位まで上り詰めたが、ソニーのような保守的な企業では居場所がなかったという。あるソニーの元社員は、「現在のソニーは官僚化の道を歩んでいる」と指摘した。官僚化された企業において、革新を試みる意志を持たず、長期的に社内でバランスばかりを求めていた人物が役員になれば、ジョブズ氏のような人物は居場所を失うだろう。

 金融危機という激変を経た今、発展の原動力は革新から来ると意識する人が多くなっている。日本企業は内部の保守的な企業文化を変えておらず、外部では産業構造の調整の停滞に直面しており、国際競争で勢いを盛り返すことは難しいだろう。』


☆1月29日付「東亜日報」社説
 『「株式会社日本」の代表ブランド、ソニーの墜落』

『国際格付け会社・ムーディーズが、日本電子メーカー・ソニーの長期社債の格付けを、従来のBaa3」から「Ba1」へと、一ランク格下げた。ムーディーズがつける21段階の格付けのうち、11番目の等級のBa1は、ジャンク(投資不適格)水準の低い等級だ。ムーディーズは、「ソニーは、グローバル競争が激しく、技術変化の激しいテレビやPC事業分野で、壁にぶつかり、収益性が悪化する見通しだ」と明らかにした。格付けが下がれば、会社の資金調達コストが増え、株価にも悪影響を及ぼす。
ソニーは、トヨタ自動車と共に、世界を驚かせた「株式会社日本」のプライドを代表するグローバル企業だ。1980年代、「ウォークマン神話」を作り出した一流企業であり、盛田昭夫などの世界的経営者を輩出した。「日本がまもなく米国を追い抜くだろう」という予測がはびこっていた1990年、米アンケート会社・ランドは、ソニーを世界第2位のブランドパワーと選ぶほどだった(1位はコカコーラ)。
しかし、この10数年間、ソニーは早いテンポで墜落した。世界市場の勢力図が変わっているのに、「我々が最高」という錯覚や自慢から脱することができず、「自社標準」に拘った。ソニーをはじめ、日本企業各社が世界の流れに背を向けたまま、国内市場だけにこだわり、国際競争から取り残される現象を巡り、「ガラパゴス症候群」という新造語も出てきた。陸地から遠く離れた島に、ユニークな生態系が形成されたことに喩えた言葉だ。経営陣が長期的観点での競争力を落とし、会社を駄目にする誤った決定を下しても、歯止めを掛けたり、異議を申し立てられない組織内の官僚主義もみなぎっていた。
ソニーは昨年、円安をはじめ、「アベノミクス」効果などのおかげで、一時業績が改善したこともあるが、根本的な体質改善によるものではなかった。日本の2013会計年度の上半期(4〜9月)に、ソニーは3期(1年半)連続の赤字から脱せなかった。英ブランドコンサルティング会社・インターブランドの「グローバル上位100位ブランド」の調査で、一時、世界トップだったソニーのブランドパワーは、昨年46位に墜落し、ソニーがかつて一目下とみなしていた三星(サムスン)電子(8位)より、一段と下がった。米経済学者・トード・ブクホルツは、05年、ソニーのブランド価値が初めて三星電子に逆転されたことを、世界の企業史に残る重要な出来事の一つに選んだ。
企業の世界で、「永遠な勝者」はない。いくら業績のよい企業でも、一瞬気を抜いたり、選択を間違えれば、奈落に陥る。ソニーの墜落を目にし、三星電子や現代(ヒョンデ)自動車、ポスコ、現代重工業、LG電子、KTなど、韓国を代表する主要企業各社は、グローバルマインドで武装し、絶え間ない革新や組織内官僚主義の打破で、競争力を引き上げるべきだという教訓を得る必要がある。』


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今から30年ほど前、SONYには今のAppleのようなイメージがあったように思う。

今のiPhoneにあたるものが、当時のウォークマンといったところだろうか。

確かに、今のソニーに当時の面影はほとんどない。
その理由はどこにあるのか。

中韓両紙に共通しているのは「官僚主義」ということのようだ。

中国紙に「ガラクタの山」呼ばわりされている日本企業の奮起を期待したい。


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それでは、また。
あなたに素敵なことがいっぱいありますよう...。


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