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日韓国民はもっと友好的に?

2015年4月1日(水)14時現在の各紙サイトより

国内主要紙一面トップ記事、及び社説・主張

*一部記事が有料なものや、無料会員登録が必要なものもあります。

【朝日新聞】
「朝刊一面トップ」
『医師に謝礼、1000万円超184人 製薬会社、講演料など 13年度分、朝日新聞集計』
「社説」
『政府と沖縄 捨て石にしてはならぬ』
『AIIB 関与は十分だったのか』

【産経新聞】
「朝刊一面トップ」
『北「拉致抜き」報告打診 政府拒否、制裁を強化』
「主張」
『辺野古移設 話し合いの土俵を整えよ』
『桐生9秒87 日本人の可能性に胸躍る』

【東京新聞】
「朝刊一面トップ」
『同性カップル条例 成立 渋谷区が「結婚相当」証明書』
「社説」
『航空機の安全 死角はもうないのか』
『ストーカー対策 身近に頼れる相談先を』

【日経新聞】
「朝刊一面トップ」
『社外役員選任に基準 第一生命 株主総会で反対も』
「社説」
『若者が魅力を感じる農業の将来像描け』
『新人と向き合う職場づくりを』

【毎日新聞】
「朝刊一面トップ」
『アジア投資銀 参加50カ国に迫る 申請期限 規模で存在感』
「社説」
『アジア投資銀行 関与へ作戦立て直しを』
『首都直下地震 減災への道筋を確かに』

【読売新聞】
「朝刊一面トップ」
『電子カルテ集積活用 ビッグデータ化 医療・製薬研究に』
「社説」
『対「北」制裁延長 拉致問題進展へ手段を尽くせ』
『巨大地震対策 訓練と検証が実効性を高める』


きょうの注目記事

東京の駐日韓国文化院が放火されるという事件がありました。
この件について書かれた、韓国紙の社説を見てみます。


【3月28日付「朝鮮日報」『韓国文化院放火事件、今こそ日本国民と対話を』

『今月26日午後11時55分ごろ、日本の東京都内にある韓国文化院が何者かに
より放火される事件が発生した。』

『幸い被害は建物の外壁が焦げ付く程度で済んだが、この事件は日本国内に
おける嫌韓感情が非常に高まっている中、日本国内にある韓国の公館を直接
狙ったものという点で軽く見過ごすわけにはいかない。』

『ここ数年における日本での嫌韓感情の高まりは、韓国人や韓国文化を公然と
侮辱し、時には暴力的な行動に出る段階にまで至っている。韓国を露骨に嘲弄
する書籍や漫画が書店に数多く並び、数百あるいは数千人規模の集会で太極旗
(韓国の国旗)を踏みつけるパフォーマンスまで行われている。』

『また最近は在日韓国人が経営する商店などに乱入し、物理的に営業を妨害
するといったケースも決して珍しくない。そのような中、今回の放火事件は
まさに病的レベルに達した嫌韓感情の現状をまざまざと見せつけるものだった。』

『この問題がこれまで以上に深刻に受け取るべき理由は、嫌韓感情が今や日本
の活動家だけの次元にとどまらず、一般人の間にまで広まりつつあるからだ。』

『日本の内閣府による調査によると「韓国に対して親近感はない」という回答
は2011年には36.7%だったのが、昨年はその2倍近い66.4%に達した。一部の
過激な人間が起こす放火事件よりも、このように日本国民全体に広まる感情の
方がはるかに深刻な問題だ。』

『現在の韓日関係は嫌韓感情、嫌日感情の双方ともこれまで以上に高まって
おり、その結果、破壊的な悪循環から抜け出せなくなる危険性も高くなってきた。』

『またソウルで行われる反日集会が非常に過激で暴力的なものとなることも
よくある。日章旗を燃やすパフォーマンスも行われており、5年前には駐韓
日本大使にコンクリート片が投げつけられる事件も発生した。』

『このように暴力的な方法で反日感情や日本への怒りを表出してしまえば、
例えそれが正当な主張であっても、結果的に日本の過激な勢力と同じレベルに
自らを引き下げる自害行為となってしまうのだ。』

『朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は就任以来、日本の安倍内閣による歴史問題
や独島(竹島)問題での挑発行為は、無責任な政治家たちの問題行動であって、
日本国民とは関係ないとの考えを何度も表明してきた。』

『本当にそのような考えを持っているのであれば、就任から2年以上が過ぎた
今、朴大統領と政府は日本国民に対して外交面で何らかの働きかけを行って
きたのか、問いたださざるを得ない。』

『口では日本政府と国民を分けて考えると言いながら、その一方で韓日間の
友好を願う韓国国民の思いを伝える外交面での努力を怠って来たと言わざるを
得ないからだ。』

『まずは大統領から日本メディアとのインタビューなどに応じ、日本国民と
直接接する機会をこれまで以上に持つべきではないか。』

『安倍首相は27日、今後韓日首脳会談が行われる見通しについて「会うとか
会わないということ自体を交渉のカードにすることは望ましくない」「これが
私の交渉に臨む姿勢だ」と発言した。』

『以前は国際会議などで朴大統領について回るように会談を求めていたが、
今ではその考えも大きく変わったと言わざるを得ない。安倍首相は来月29日に
日本の首相としてはじめて、米国の上下院合同の演説を行うことになっているが、
この事実からも、もはや韓国など眼中にないかのようなごう慢ささえ感じられる。』

『そのため安倍政権に対抗するという意味合いからも、日本国民に改めて理解
を求めることは、韓国にとって一層重要な課題として浮上してきたのだ。』


【3月29日付「中央日報」『リー・クアンユーに学ぶ韓日外交の解決法』

『東京の駐日韓国文化院が25日夜に放火された。逃げた放火犯は反韓感情を
持つ右翼分子とみられる。幸い大きな被害はなかったが、最近になり日本国内
の反韓感情が危険水位に達したことを示してくれる。』

『反韓を超え嫌韓に達した日本人の情緒は2012年12月の安倍晋三政権
発足後にますます深刻な様相を見せてきた。少し前に日本のある民放局は
「韓国はもうこれ以上重要なパートナーではない。韓国は反日で自滅する破産
国家」というコメントを出した。』

『また、「いま韓国の反日風潮が高まった理由はこれまで好きにできるよう
日本が放置していたためだ」「韓国はバブル崩壊とデフレで2~3年以内に
崩壊するだろう」という言葉も電波に乗り日本のお茶の間に伝えられた。』

『日本の反韓感情はこれ以上極右の専有物ではない。平凡な日本人にも伝染病
のように広がっている。』

『書店には『韓国経済がけっぷち』『韓国経済が崩壊するこれだけの理由』
など、扇情的な題名の本があふれる。知性の殿堂でなければならない大学でも
いわゆる"反韓教授"らが韓国人留学生に冷たい視線を送る状況になった。』

『政府レベルの政治的対立は懸案によって高まったりも緩和したりもする。
だが、国民まで相手方に根拠なく激昂した感情を持つことになるならば深刻な
問題にならざるを得ない。日本だけの話ではない。韓国にも反日感情が深く
根付いている。』

『これが実利的に推進すべき経済交流や安保協力を山場ごとに妨げたりもする。』

『2012年に李明博(イ・ミョンバク)政権が推進した韓日軍事情報保護
協定が署名式の当日に破棄されたのが代表的な事例ではないだろうか。先日の
韓日通貨スワップ協定の満了にも経済的な考慮のほかに感情的な影響がなかった
と見るのは難しい。』

『慰安婦、歴史教科書、領有権紛争がふくらむたびに両国国民の相手国に対する
反感は上昇曲線に乗るものだ。両国の政権がこれを放置したり時には活用した
側面があるのも事実だ。国民感情に便乗して政治的利益を狙ったということだ。』

『安倍首相が27日付ワシントンポストのインタビューで慰安婦被害者を
「人身売買の犠牲者」と表現したのもその延長線だ。』

『慰安婦強制動員の主体を旧日本軍や官憲ではなく民間業者に転嫁しようと
いう希釈する意図がよく表われている。慰安婦犠牲者に同情を示したりはした
が日本政府レベルの謝罪・賠償要求を受容できないというこれまでの姿勢を
再度強調したものだ。』

『韓国が先に興奮する必要はない。安倍首相と安倍政権が気に入らないからと
日本人全体を排斥したり憎悪する愚を冒してはならない。』

『政権は有限だが国民は永遠に代を受け継いでいく。政府と政治家のせいで
両国国民の心が互いに遠ざかるなら、いったいだれが利益を得るのか。』

『29日にシンガポール建国の父リー・クアンユー初代首相の葬儀が行われる。
彼は生前に感情を排除した徹底した実用主義外交で小さな都市国家シンガポール
の国際的地位を高めた。』

『残虐な占領統治をした日本も快く許した。あれほど嫌悪していた共産主義者
らとも手を握った。』

『彼を追慕しながら彼が私たちに投げる教訓を重く受け止めなければならない。
国益優先の実用外交に忠実であろうということだ。』

『そうするためには安倍政権に対する反感は半分に隠し、日本国民に対する
関心は倍に増やす必要がある。さらに手遅れになる前に実利的な「ツートラック
戦略」を見せなければならない。』


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両紙とも、「政治はともかく国民同士は友好的に」という論調のようです。

朝鮮日報の、
『暴力的な方法で反日感情や日本への怒りを表出してしまえば、例えそれが
正当な主張であっても、結果的に日本の過激な勢力と同じレベルに自らを引き
下げる自害行為となってしまうのだ』
及び、中央日報の、
『韓国が先に興奮する必要はない。安倍首相と安倍政権が気に入らないからと
日本人全体を排斥したり憎悪する愚を冒してはならない』
の一節は、そっくりそのまま逆のことが言えると思います。

ヘイト・スピーチや暴力行為では何の利も、もたらさないものと思います。


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今回のテーマは、【日韓関係について】です。


編集後記

昨日、知人の紹介で、安倍首相に会いに行ってきました。
東京・音羽の鳩山会館で催された観桜会に招待していただいたのです。

驚いたことに、安倍首相は弊誌の購読者だそうです。

笑顔で「いつも読んでます。いろいろ参考にさせてもらってますよ」と握手を
求められました。
リップサービスかもしれませんが...。

10分ほどお話しをさせていただきましたが、最近記事にした話題について、
自論を述べました。

安倍首相とは見解が異なる点もありましたが、うなずきながら耳を傾けて
くださいました。

こちらが、その時の写真です。
↓ 


april fools.jpg

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