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「建国記念日」ではなく「建国記念の日」

2015年2月11日(水)16時現在の各紙サイトより

国内主要紙一面トップ記事、及び社説・主張

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【朝日新聞】
「朝刊一面トップ」
『ODA政策、転換 非軍事限り軍支援・「国益を重視」鮮明 新大綱閣議決定』
「社説」
『開発協力大綱 外交の変質を恐れる』
『農協改革 まだやることがある』

【産経新聞】
「朝刊一面トップ」
『ODA 非軍事限り他国軍支援 新大綱「国益確保」明記』
「主張」
『旅券返納命令 国民を守る判断は妥当だ』
『建国記念の日 「よりよき国に」の覚悟を』

【東京新聞】
「朝刊一面トップ」
『平和外交後退 ODA新大綱決定』
「社説」
『新ODA大綱 「非軍事」を貫いてこそ』
『農協改革 本当に農家のためか』

【日経新聞】
「朝刊一面トップ」
『キヤノン会長「世界3極体制『前進』」 監視カメラ企業買収』
「社説」
『国際環境の変化が促すODAの改革』
『ウクライナ停戦調停を生かせ』

【毎日新聞】
「朝刊一面トップ」
『後方支援 米軍以外へも 周辺事態法改正へ』
「社説」
『後方支援の法制 拡大の議論は慎重に』
『軽減税率の協議 年内の法制化を目指せ』

【読売新聞】
「朝刊一面トップ」
『民法に「約款」規定...法制審決定 抜本改正要綱案』
「社説」
『開発協力大綱 戦略的ODAで国益追求せよ』
『旅券返納命令 シリアの危険考えれば妥当だ』


きょうの一言

「建国記念の日」ということで、産経紙が主張で、赤旗紙がコラムで、自論を
展開しています。
その対比に「らしさ」が現れています。

以下、抜粋してみます。


「産経新聞」『建国記念の日 「よりよき国に」の覚悟を』

『日本書紀によれば日本国の誕生(建国)は紀元前660年で、その年、初代
神武天皇が橿原の地(奈良県)で即位した。明治6年、政府はその日を現行暦
にあてはめた「2月11日」を紀元節と定め、日本建国の日として祝うことに
したのである。』

『西欧列強による植民地化の脅威が迫るなか、わが国は近代国家の建設に乗り
出したばかりで、紀元節の制定は、建国の歴史を今一度学ぶことで国民に一致
団結を呼びかける意義があった。』

『先の敗戦で紀元節は廃止されたものの昭和41年、2月11日は「建国記念
の日」に制定され、祝日として復活した。「建国をしのび、国を愛する心を
養う」と趣旨にうたわれているように、国家誕生の歴史に思いをはせる大切さ
は、今ももちろん変わっていない。』

『ただ忘れてはならないのは、親心と同様に、誕生以後の日本を少しでもよい
国にしようと、先人らが血のにじむ努力を重ねてきたことである。現在を生きる
国民もまた、さらによい国にして次の世代に引き継がねばならない。』

『慶応義塾の塾長を務めた小泉信三は昭和33年、防衛大学校の卒業式で祝辞
を述べた。その中で小泉は、先人の残したものをよりよきものとして子孫に
伝える義務を説いたうえで、こう続けた。』

『「子孫にのこすといっても、日本の独立そのものが安全でなければ、他の
すべては空(むな)しきものとなる。然(しか)らば、その独立を衛(まも)る
ものは誰(だ)れか。日本人自身がこれを衛らないで誰れが衛ることが出来よう」』

『57年前の言葉がそのまま、目下の国防への警鐘となっていることに驚か
される。中国の領海侵入などで日本の主権が脅かされているばかりか、国際的な
テロ組織によって国民の命が危険にさらされてもいる。』

『だが、わが国の現状は、自らの国防力を高めるための法整備も十分ではなく、
その隙をつかれて攻撃される恐れもある。紀元節制定時に倣って今こそ、国を
挙げ「日本人自身が日本を衛る」覚悟を決めなければならない。』


「赤旗」コラム「きょうの潮流」

『建国記念日の定義や性格は国それぞれ。アメリカやインドのように独立を
祝ったり、革命を記念するフランスやキューバみたいに。ドイツは東西が統一
した日をあてています』

『きょう、2月11日は「建国記念の日」。「建国をしのび、国を愛する心を
養う」という趣旨で1967年から「国民の祝日」として適用されてきました。
しかし、史実ではなく神話を基にしている日本の建国記念は、世界でもまれです』

『かつて、この日は「紀元節」と呼ばれました。『日本書紀』の日本神話の
なかで初代天皇とされる神武天皇。その架空の人物が即位した日を明治政府が
算出し、国民が祝う日として定めたのです』

『神の子孫である神武天皇から日本の歴史が始まり、その子孫による統治は
永遠に変わらない。日本は神の国である、という天皇中心の歴史観を国民に
植えつけるためでした。偏狭な愛国心の押しつけは国の破滅を招きました』

『戦後、紀元節は廃止されましたが、自民党政府が「建国記念の日」として
復活させます。根拠のなさを指摘する歴史学者、ウソを教えることはできない
と反対する教育者。歴史の過ちをくり返してはならない、の声は上がりつづけ
ます』

『安倍首相は今年も"建国神話の日"を前にメッセージを出しました。
「今日の我が国に至るまでの古(いにしえ)からの先人の努力に思いをはせ、
さらなる国の発展を願う」と。彼のいう先人が何を指しているのかは分かり
ませんが、この国を建ててきたのは神話ではありません。無数の民の力です。』


赤旗紙が「分からない」としている「先人」。
私はこれを、赤旗紙が「この国を建ててきた」としている「無数の民」だと
解釈しているのですが...。


ちなみに、きょうは「建国記念日」ではなく「建国記念の日」です。

これは、「建国された日とは関係なく、単に建国されたということを記念する
日である」という考えによるものだそうです。

成立に至るまでには、かなり揉めたようですね。

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