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古橋広之進さん死去について

【国内主要6紙の本日の社説】

2009年8月4日

(以下、掲載順は日々変更)

【東京新聞】
『裁判員スタート 扉は市民に開かれた』
『古橋さん死去 その一途さを忘れまい』
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【日経新聞】
『裁判員制度生かし民主主義を鍛えたい』
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【毎日新聞】
『09衆院選 高速道料金改革 潮流が見えているか』
『古橋さん死去 「トビウオ伝説」継承を』
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【読売新聞】
『私大定員割れ 特色作りで活路を見いだせ』
『古橋広之進さん 水泳ニッポンを支え続けて』
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【朝日新聞】
『裁判員始動 市民感覚を重ね合わせて』
『介護認定混乱 利用者と現場の声を聞け』
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【産経新聞】
『古橋氏死去 志継ぎ水泳日本の躍進を』
『裁判員裁判 定着に向け努力を尽くせ』
(詳しくはこちらへ)


独断と偏見はご容赦!【最近の社説の、ここに注目】

「フジヤマのトビウオ」こと古橋広之進さんについては、物心ついた頃から耳にはしていた。

しかし、その凄さが強烈に印象付けられたのは、高校生の頃に読んだ、
近藤唯之さんの著作「ドキュメント・男たち 勝負の栄光と哀しみ」
という本によってだった。

この本の中に、古橋さんのライバル・橋爪四郎さん側からの視点による、「NO.2の男」という話がある。

ちなみに、橋爪さんは古橋さんに見出され、超一流のスイマーとなった人だ。

以下、この話を元にして書いたものである。


「デッド・ポイント」というのがあるそうだ。
2人とも、苦しくなって嘔吐しながら泳ぎ、勝負していたという。

「古橋さんにどうしても勝てない」
へどを吐き、地獄を見ながら泳ぎ、練習し、それでも負ける。

「俺は何をやっても、古橋さんにはかなわないのか」
そんな絶望感があったという。

「いつでもどこでも古橋さんには勝てない...」
男泣きに泣いた末、橋爪さんは、「"科学的領域"で勝負する以外にない」と、思い至ったそうだ。

そして、極めて論理的な泳法を編み出し、身につけた。

その結果が表れたのが、昭和24年、ロサンゼルスで行われた「全米水泳選手権」だった。

古橋さんのつくった世界新記録を塗り替えたのだ。

「いつでもどこでも古橋に負けてきた俺が、世界一になった!」
「古橋さんに勝った!」
プールの水が、湯のように熱いと思うほど嬉しく、感動したそうだ。

その記録を控え室で知った古橋さんは、どう思ったか。

「死んでも橋爪には負けない」
「世界記録などどうでもいい。橋爪にだけは勝つ」

「橋爪に負けるな、橋爪に勝て!」
それだけを胸の中で怒鳴りながら泳いだという。

そして、タイムの発表。
たった今橋爪さんがつくった新記録を更新していた。

結局、橋爪さんがNO.1だったのは、20分ちょっとの間のことだった。
...


この時代の価値観や考え方、練習方法を、全て現代に持ち込むのは無理だろうし、良いこととも思わない。

しかし、こうした勝負にかける熱い思いは、失ってほしくない。


今日の雑感

私は、近藤唯之さんの著書が好きです。

「まず最初に、プロ野球とは関係ない話から書く」
「プロ野球が始まって以来、OOしたのは彼ひとりしかいない」
「なんのことはない。××だっただけだ」
「ここらあたりが男の人生の悲しみというか、男のつらさなのだ」
「名人、達人になると、○○でさえ××するものなのか」
「男の運命なんて3年先どころか、30秒先がわからない」
...

ご存知の方にはおなじみの、「近藤節」がたまりません。

スポーツ選手を高々と祭り上げることなく、一般人(特に中年男性)の人生と重ね合わせた心情から綴られた文章が、心に響きます。

私は、十代の頃からよく読んでいるのですが、当時は心が熱くなり、そして今は、哀しさ・辛さが身に沁みてきます。

【本日、あなたが最も共感しなかった社説は?】

2009年8月4日












締切:2009年08月05日22時00分
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