高齢者の犯罪について
【国内主要６紙の本日の社説】
2008年11月20日
（以下、掲載順は日々変更）【毎日新聞】 『元厚生次官宅連続襲撃 類例を見ぬ卑劣な犯行』
【読売新聞】 『銀行中間決算 景気悪化と株安が招いた減益』
『アフガン情勢 タリバン跳梁で深まる混迷』
【朝日新聞】 『元次官宅襲撃―社会の敵を許さない』
『麻生首相―景気対策まで先送りか』
【産経新聞】 『国籍法改正 不正排除へもっと議論を』
『元厚生次官宅襲撃 許されない行政へのテロ』
【東京新聞】 『元次官宅襲撃 許されぬ卑劣な犯罪だ』
『中間連結決算 未来製品で巻き返せ』
【日経新聞】 『ＡＰＥＣは日本の存在感を示す好機だ』
『円高を生かす対外Ｍ＆Ａ』
独断と偏見はご容赦！【最近の社説の、ここに注目】
昨日付「毎日新聞」
『高齢者の犯罪 刑務所が老人施設でよいか』の社説。
『刑法犯が減少しているのに、６５歳以上の高齢者による犯罪は急増している。
（中略）今年の法務省の犯罪白書は、高齢者による犯罪の増加が深刻な状況に
なっていると警告を発し、実効ある対策が急務だと訴えている。』
『高齢者人口もこの２０年で倍増したが、高齢の検挙者や新規受刑者の増加率
は人口増を大きくしのぐ。（中略）高齢者は分別があって体力が衰えるので犯罪
率は低い、という従来の常識は覆された形だ。』
『高齢者の検挙容疑の６５％は窃盗、２２％は放置自転車の使用窃盗などの
占有離脱物横領で、この二つの罪名による検挙者が全体を押し上げた形だ。
（中略）多くは比較的軽微な犯罪だ。窃盗の大半は万引きで、生活に困窮した
り、空腹に耐えかねての犯行が多い。』
『件数は少ないものの暴行、傷害などの粗暴犯、詐欺などの財産犯、性犯罪
などでも高齢者が全体に占める比率は上昇している。』
『白書は、（中略）高齢になってからの初犯者の半数近くが生活の困窮から犯行
に及んでいたり、単身者ほど罪を重ねる傾向が認められる、などと指摘。高齢
者の生活の安定を図り、孤立させぬように福祉を拡充し、地域と連携して社会
全体で対策を講じる必要がある、と提言している。もっともな提言であり、高
齢者への就労支援などを充実させるべきは言うまでもない。』
『医療や介護を必要とする受刑者が目立ち、（中略）服役してほっとしている者
もいる。そもそも福祉面での支援があれば、犯罪に走らずに済んだ者も少なく
ない。累犯者とはいえ、軽微な万引き犯らをコストのかかる刑務所に収容する
ことへの疑問もある。』
『福祉の足らざるところを矯正施設に肩代わりさせないよう、団塊の世代が
高齢期を迎える前に、対策を急がねばならない。』
私が年老いたときに、もしも住むところや食べるものに困窮するような状況に
なったとしたら...。
思い通りに身体や頭が働かなかったとしたら...。
そして、身近に親しい人がいなかったとしたら...。
さすがに進んで捕まりたいとまでは思わないだろうが、法に触れるかもしれな
い軽微な罪を犯し、それがうまくゆけばよし、うまくゆかずに逮捕されたらそ
れもよし、というような心情になったとしても不思議ではない。
万引きや性犯罪などに対して、罪悪感が薄れてしまいそうで怖い。
社説で指摘している団塊の世代ももちろんだが、その後にはフリーター、パラ
サイトシングル、ニート、ネットカフェ難民などと現在呼称されている人たち
の高齢化が控えている。
将来、今以上に深刻な事態になるかもしれない。
社説で結ばれているように、対策を急ぐ必要があろう。
しかし、いったいどうすればよいのだろう。
社説で主張しているような解決策が妥当なのかもしれない。
しかし、「具体的にはどうすればいい？」となると難しい。
私にしても、当たり障りのない、無難かつ漠然とした回答が思いつくかもしれ
ないくらいだ。
ただ、一つ強く考えていることがある。
それは、
「将来自分がそういう境遇に陥らないようにするために、今、自分は何を
すべきなのか」
ということだ。
もちろん、考えたところで思い通りにはゆかぬかもしれない。
しかし、漫然と暮らしているよりは、よい結果となる確率が多少なりとも高く
なるような気がする。
「世の中全体をどうしよう」などということは、私には思いもつかないし、
また実際、どうすることもできない。
なので、せめて弊誌などを通じ、
「世の中はこうだ。ならば自分はどう考え、どう動くべきか」
とする価値観を主張してみたい。
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