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児童生徒の問題行動調査について

【国内主要6紙の本日の社説】

2008年11月21日

(以下、掲載順は日々変更)

【読売新聞】 『中期プログラム 給付と負担を一体で示せ』
       『いじめ調査 実態を本当に把握できたのか』

【朝日新聞】 『麻生首相―言葉が軽い、政権も軽い』
       『干潟開発の判決―無駄な事業への警鐘だ』

【産経新聞】 『酒酔い警視 これで飲酒運転撲滅とは』
       『道路特定財源 一般財源化の理念に戻れ』

【東京新聞】 『年金見直し 政治が乗り出す課題だ』
       『いじめ数減少 巧妙陰湿化してないか』

【日経新聞】 『反改革を勢いづかせた首相の郵政発言』
       『消費低迷が影落とす米株安』

【毎日新聞】 『「医師は常識欠落」 麻生さん「失言」では済まない』
       『荒れる子供たち 調査結果を具体策に生かせ』


独断と偏見はご容赦!【最近の社説の、ここに注目】

児童生徒の問題行動調査について見てみる。


東京。
『二〇〇七年度の「いじめ」件数は前年度から二割も減少した。だが、その手
法は携帯電話やパソコンを使ったネット攻撃が増えている。巧妙・陰湿化し、
つかみきれなくなっているのではないか。』

『この調査は(中略)暴力行為の件数もまとめている。こちらは(中略)過去
最多だった。感情を抑えきれず、キレやすい子供が多くなっているようだ。』

『暴力行為の校種別増加率をみると、(中略)年齢が下がるほど大きい。児童の
急増は深刻な事態だ。』

『かつての"荒れる学校"に戻りつつあるとしたら、早急に手を打たなくては
ならない。』

『暴力行為が増えた一方でいじめは減ったというのは考えにくい。調査のいじ
め件数は実態ではなく、見逃しているものがかなり存在するとみるべきではな
いか。』

『ネットいじめは学校だけでは解決しきれない問題であり、家庭の協力が欠か
せない。保護者は自宅での子供の様子に気を配り、学校と連携して対処してい
きたい。』


毎日。
『文科省の教育委員会への聞き取りでは「感情をコントロールできない」
「規範意識が低い」「コミュニケーション能力が足りない」という子供が増え、
「家庭の教育力の問題」も挙がったという。』

『一見もっともなようで、抽象的過ぎてなすすべもない。肝心なのは、生の
実態や事例に即して有効な対策を講じていくことだ。この調査は数値(件数)
の取り寄せと、種別や対応パターンの整理などにとどまっており、具体的な
状況がなかなか見えてこない。』

『文科省は「この全国調査の目的は、児童生徒を指導する施策の参考にしても
らうための統計で、個別のケースは出さないことにしている」という。(中略)
しかし、統計数値だけでどれほどの参考になるだろう。』

『今回、暴力行為増加が注目され、その背景に何があり、緊急にどのような
対処が必要なのか方策が求められている。机上論や内輪話にとどめないため
には、実例に立ち、経緯や要因、対応の成否や工夫など現場の経験と教訓を
広く共有しなければならない。』

『事態は旧来の経験則より先に進んでいる。』

『学校のありようは社会を映しているともいわれる。不安や不信、疎外感など
が醸し出す暴力を黙過するような風潮。そこに学校教育が全く無縁であるはず
はない。今回の調査を「傾向」を見るためにとどめず、きちんと「対策」に
結実させなければならない。』


読売。
『本当に実態を反映しているのだろうか。子どもたちのいじめを減らしていく
には、正確な実態把握がまず必要だ。』

『文科省は、(中略)06年度調査から「いじめ」の定義を変えた。』

『「一方的・継続的な攻撃」という要件を外し、児童生徒が「精神的な苦痛を
感じているもの」はいじめに該当する、とした。(中略)
ただ、調査結果を見ると、学校や都道府県によって定義の解釈にかなりズレが
あるようだ。』

『これでは、件数の減少が、いじめ対策の成果なのか、いじめのとらえ方を
修正した結果なのか、はっきりしない。』

『実態調査は、いじめを防ぐための第一歩だ。それを踏まえ、原因を究明して
こそ、対策を立てることができる。もっと調査の精度を高める工夫が必要では
ないか。』

『文科省は、同時に実施している児童生徒による暴力行為の調査では、該当
する具体例を示している。いじめの調査についても、これと同様、例示すべき
だろう。』

『教師や親はネットの知識を身につけ、(中略)子どもたちにしっかり教えねば
ならない。』

『教師には、児童生徒や親が相談しやすい雰囲気を作り、信頼関係を築く努力
が欠かせまい。』







この件について取り上げた各紙とも、「いじめ」に重点を置いているように見える。

いじめは、暴力行為と違って表に出ていないものも多い上、その定義づけも
難しいだろう。

また、具体的な解決策も難しい。

親や学校が、子供の言動に気を配るということが、漠然としてはしまうが有効
な対策ということになろうか。

また、基本的には家庭での教育が主となるものと、個人的には考える。

ただ、インターネットの知識については、家庭で教育するには難しい部分も
あるだろう。

パソコン・ケータイなどといかにつき合うのか。
そうしたことを学校で教育することも必要かもしれない。


ところで話は少しそれるが、最近、何でも学校などに責任を求めるケースが
増えてきているような気がする。

「学校がもっと、しっかり教育・管理をしてくれ」というわけだ。

もちろん、学校内でのことについては、学校に管理責任があるだろう。

しかし、何から何まで学校で教育・管理しろという風潮になってはいないだろ
うか。

親は学生時分、「♪誰にも縛られたくないと~」とか「♪この支配からの卒業~」
などと尾崎豊の歌など歌っていながら、自分の子供については、学校での管理
を強く求めたりする...。

そんな皮肉も言いたくなる。

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