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佐藤元首相発言について

【国内主要6紙の本日の社説】

2008年12月24日

(以下、掲載順は日々変更)

【朝日新聞】
『佐藤首相発言―核をめぐる政治の責任』
『NHK新委員長―公共放送の責務を体して』
(詳しくはこちらへ)

【産経新聞】
『佐藤元首相発言 核オプション放棄できぬ』
『インフルエンザ 予防徹底こそ最大の対策』
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【東京新聞】
『浜岡原発廃炉 新設の計画は慎重に』
『米ビッグ3救済 新たな車社会示せるか』
(詳しくはこちらへ)

【日経新聞】
『この機会に新卒一括採用を見直したら』
『なぜ遅れる自衛艦の派遣』
(詳しくはこちらへ)

【毎日新聞】
『「里海」創生 海を身近にするチャンスに』
『政権放り出し トップ育成システムの崩壊』
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【読売新聞】
『08回顧・日本 政治も経済も波乱の年越し』
(詳しくはこちらへ)


独断と偏見はご容赦!【最近の社説の、ここに注目】

本日付
「朝日新聞」『佐藤首相発言―核をめぐる政治の責任』
「産経新聞」『佐藤元首相発言 核オプション放棄できぬ』
の社説。


価値観の異なる両紙。
期待どおり、その違いが興味深い。


当時の佐藤首相の心情について、朝日は
『有事の際に核兵器を使う保障を求めていた』
と解釈し、産経は
『首相が「核戦争を容認している」と断定することは短絡的ではないか』
としている。

また、現状についても、
『核保有論のような合理性に乏しい主張が政治家の間からさえ飛び出す』
『情緒で核を語るのは愚かしいことだ』
と、朝日が述べているのに対し、産経は、
『核のオプション(選択)まで放棄する必要はない』
としている。

産経の「防衛力」と「抑止力」という対比も興味深い。

産経は「抑止力」について、『防衛能力を通してではなく、相手が脅威を感じる攻撃能力があってこそ可能になる』ものとしている。

この価値観に反対する人々は、「抑止力は軍備に頼るものではなく、外交努力によって行うもの」と考えるのだろう。

このあたりが両者の価値観の間に横たわる大きな溝となっているのかもしれない。


個人的には、唯一被爆を経験した日本には、核廃絶を訴える義務のようなものがあると思っている。

日本としての見解は、「核兵器、断固拒否」ということでいいと思う。

しかし、それとは別に現実問題として、他国の核兵器が日本に向けられているであろう現状についても、充分認識しておく必要はあるものと考える。

確かに、朝日が言うように、『情緒で核を語るのは愚かしいこと』かもしれない。

反対論者は、核保有の議論が核容認という流れにつながるかもしれないことと、「対外的な配慮」ということを危惧しているのだろう。

しかし、「核保有は抑止力たり得るか」という議論さえも封じてしまうのは、いかがなものだろうか。


【今日の雑感】

佐藤氏発言当時は、被爆から約20年。
今は、約60年が経過しております。

私がリアルタイムで最初に知った総理大臣は田中角栄氏ですので、佐藤氏発言当時の雰囲気というものを、肌では感じておりません。

当時よりも今のほうが、「核反対」との価値観が薄れてしまっているものなのでしょうか。

核兵器について、世界全体ということでいえば、今の流れは個人的にかなり憂慮しております。

「外国から日本に向けられる核兵器についての危惧」と、
「日本が海外に向け主張する核兵器についての危惧」と。

両方の視点が必要ではないでしょうか。


【本日、あなたが最も共感しなかった社説は?】


2008年12月24日












締切:2008年12月25日18時00分
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