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民主党圧勝の衆院選について

【国内主要6紙の本日の社説】

2009年8月31日

(以下、掲載順は日々変更)

【日経新聞】
『変化求め民意は鳩山民主政権に賭けた』
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【毎日新聞】
『衆院選民主圧勝 国民が日本を変えた』
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【読売新聞】
『民主党政権実現 変化への期待と重責に応えよ』
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【朝日新聞】
『民主圧勝 政権交代 民意の雪崩を受け止めよ』
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【産経新聞】
『民主党政権 現実路線で国益を守れ 保守再生が自民生き残り策』
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【東京新聞】
『歴史の歯車が回った 民主が圧勝 自民落城』
(詳しくはこちらへ)


独断と偏見はご容赦!【最近の社説の、ここに注目】

衆院選の結果について、各紙社説を見てみる。


社説を読む限り、一番民主党勝利に好意的に見える東京紙社説でさえ、
『全国各地の投票所に列をなして民主に大勝利を与えた民意が、政権担当の力量をこの党に認めたのかは怪しい』
と書いているように、今回の大勝は、民主党の政策や力量を評価してのものではないだろう。

産経紙の一節、
『民主党の政策が高く評価されたというより、自民党にお灸(きゅう)を据えることに重点が置かれた』
と、見るのが妥当ではなかろうか。


毎日紙の、
『多数の議席を得た船出は、逆の意味で危うさをはらむ。期待がふくらむほど、裏切られた時の失望も大きい』
の一節。

これは、私も常々言っていることだ。
安倍首相、或いは、韓国の李・アメリカのオバマ両大統領誕生の時などにも、そう書いた。

これだけの票を得たということは、有権者の期待もそれだけ高いということだろう。

それが満たされなかった時の反動というものもまた、大きいものと思う。

民主党からすれば、「勝って良かった」というよりも、むしろ「大変なことになった」というくらいの心境で臨まなければならないかもしれない。


『国民の政治に対する判断はどうだったのだろう。4年前の総選挙では、(中略)郵政民営化を圧倒的に支持した。それが今回は、民主党の主張する「政権交代」というキャッチフレーズに熱狂的に共鳴したといえる』

『振り子の激しさは政治を不安定にしかねない。とりわけ、単一イシュー(争点)に白黒をつけることが最大の選択肢となることは、単純明快かもしれないが、ポピュリズム傾倒の危うさがあると認識すべきだろう』

産経紙の、以上の一節に共感する。
本当に、4年間でこうも民意が変わってしまうものかという感じだ。

確かに、この4年間の社会情勢は、多くの有権者の生活をとても厳しい状況に陥らせてしまったかもしれない。

私自身も、それは肌で感じている。

しかし、だからといって、こうまで変わってしまうものだろうか。

『父から子、親族へと、当たり前のようだった世襲、そして平成の大合併や組織票依存で足腰が弱った党は、時代が必要としなくなったようにも見える』(東京紙)

『自公政権が退陣に追い詰められたのは、国民の積もりに積もった批判の結果です』(赤旗)

以上のような見方をする社説もあるが、自民党は4年前には圧倒的な支持を集めていたはずだ。

昨日の「今日の雑感」に、
『政治や選挙に関心が向くのはよいことでしょうが、その反面、ちょっとした「流れ」に大衆が一気になびいてしまう怖さも感じます』
と書いたが、こうしたあたりに、本当にある種の怖さを感じる。

よく、左系の論調で、「こうしたことが日本を戦争をする国に変え...」とか「軍事優先の国家に転換する危険が...」などということを目にする。

「戦中・戦後じゃあるまいし、今はそんなことには...」という思いがあったが、4年でこの様変わりである。

軍事云々はともかくとして、国民の意識というものは、ちょっとしたはずみで一気に流されてしまう危険性があるものと改めて感じた。


公明新聞の、
『マスコミ各紙も民主党政権の誕生を前提とした報道を連日のように流し続けた』
との一節も、あながち言い訳ともいえないだろう。

新聞も週刊誌も、早くから「民主党圧勝」「大物議員落選」などと大々的に見出しをうっていた。

こうしたマスコミの姿勢にも、問題があるのではなかろうか。


今日の雑感

朝日紙社説の、
『続々と勝ち名乗りを上げたのは、政治の舞台ではほとんど無名の民主党の若手や女性候補たちだ』
との一節に、最近の傾向と、その怖さを感じます。

候補者の知識・経験・価値観・人柄といったことよりも、肩書きやルックスなど、いかに有権者受けしやすいかということのほうが重要視されているように思えます。

「世襲」が否定されて、新たに台頭してくるのが、こうした人たちということなのでしょうか。


【本日、あなたが最も共感しなかった社説は?】


2009年8月31日







締切:2009年09月01日22時00分
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