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18歳選挙権法案について

2015年3月15日(日)15時現在の各紙サイトより

国内主要紙一面トップ記事、及び社説・主張

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【朝日新聞】
「朝刊一面トップ」
『開業、沸く北陸 新幹線、東京-金沢2時間半 企業進出・観光拡大』
「社説」
『震災復興財源 事業と予算の点検を』
『北陸新幹線 これからが肝心だ』

【産経新聞】
「朝刊一面トップ」
『国連会議開幕 防災 途上国に40億ドル 「安倍イニシアチブ」発表』
「主張」
『安保法制 国守る全体像に理解得よ』
『少子化大綱 未婚・晩婚に重点対策を』

【東京新聞】
「朝刊一面トップ」
『「集中」復興予算 時間切れも 将来像描く前に 5年の壁 気仙沼ルポ』
「社説」
『週のはじめに考える キング牧師の「夢」は今』

【日経新聞】
「朝刊一面トップ」
『マイナンバー、戸籍も 結婚・相続で謄本不要 18年実地検討』
「社説」
『原発事故の教訓を世界の防災に生かせ』
『許せぬイラクの文化財破壊』

【毎日新聞】
「朝刊一面トップ」
『みなし仮設 延長可能性「黒塗り」開示 福島県、避難者側に』
「社説」
『国連防災会議 経験と教訓発信したい』
『淡路島5人殺害 相談対応に不備ないか』

【読売新聞】
「朝刊一面トップ」
『国連防災会議 災害早期警戒、地球規模で 首相表明 途上国と情報共有』
「社説」
『子供安全調査 学校と警察の連携で悲劇防げ』
『コンビニ再編 業態超えた成長戦略が重要だ』


きょうの注目記事

少し前の話題ですが、18歳選挙権法案について書かれた社説を見てみます。

【6日付「読売新聞」『18歳選挙権法案 高校の主権者教育を拡充せよ』

『若い世代の人たちが政治に関心を持ち、積極的に参加する契機となることを
期待したい。』

『与野党6党が、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる
公職選挙法改正案を衆院に提出した。今国会中に成立する見通しで、早ければ
2016年夏の参院選から適用される。』

『選挙権年齢の引き下げは70年ぶりで、18、19歳の約240万人が新たに
選挙権を持つ。最高裁判所裁判官の国民審査などにも参加できるようになる。』

『世界では、18歳以上が選挙権を持つ国が圧倒的に多い。国立国会図書館の
昨年の調査では、20歳以上は日本、カメルーン、台湾など5か国・地域に
すぎない。ようやく国際標準に並ぶことになる。』

『未成年者への選挙権の付与には、「まだ十分な判断力がない」といった慎重論
もあった。』

『だが、日本の若者が他国より未熟で、責任ある行動が取れないことはあるまい。
むしろ選挙権を与え、有権者としての社会的責任を自覚させることが、「成熟」
を促す効果もあるのではないか。』

『残念ながら、若者の投票率は低い。昨年の衆院選における20~24歳の
推計投票率は約30%で、52%台だった平均投票率を20ポイント以上も
下回る。最も高い70~74歳の約72%と比べると、半分以下だ。』

『より多くの若者が投票所に足を運び、選挙権を適正に行使するため、主権者
教育を強化したい。』

『総務、文部科学両省は高校生向け副読本の配布などを検討中だ。10、13年
参院選で神奈川県の全県立高校が模擬投票を実施した。一部の選挙管理委員会
では出前授業を行っている。こうした先進的な試みを拡充させるべきである。』

『政治教育を担当する教師のレベルアップも急務だ。政治的中立を保ちつつ、
政党や政策に対する判断力を身につけさせる指導法の研修や教材作成に力を
入れたい。』

『高校生らが政党の公約を読み、選挙や住民投票の仕組みを理解することを
通じ、政治や時事問題への関心を高めることが大切だ。日本の厳しい財政事情や、
若者より高齢者に手厚い社会保障政策などを考える機会にもしてほしい。』

『選挙権年齢の次は、民法の成人年齢の引き下げが課題となる。』

『法制審議会は2009年10月、商取引に伴う消費者保護などを条件に、
成人年齢の18歳以上への引き下げが適当だと答申した。』

『どんな課題があるかを精査したうえ、個別に対策を講じ、引き下げの環境
整備を図るべきだ。』


【7日付「産経新聞」『18歳選挙権 教室を政治の場にするな』

『選挙権は主権者の国民が行使する民主主義の柱であり、70年ぶりに引き
下げる意義は極めて大きい。未来を担う若い世代が国づくりの責任を自覚し
公正な一票を投じられるよう、教育への配慮を十分行ってもらいたい。』

『選挙権年齢引き下げは、昭和20年に「25歳以上」から「20歳以上」に
変更されて以来となる。成立は確実な情勢で、公布から周知期間を経て施行
される。来年夏の参院選で適用されれば18、19歳の約240万人が新有権者
となり、現在の高校2、3年と高校1年の一部が含まれる。』

『投票率が低い若者世代の政治や選挙への関心をいかに高めるかが問われる。
学年に応じて社会参加や選挙の意義、仕組みなどの理解を深めていく教育が、
一層必要となるだろう。』

『選挙権年齢の引き下げは、昨年6月施行の改正国民投票法で、憲法改正国民
投票の投票年齢を平成30年から「18歳以上」へ引き下げることに伴うものだ。』

『総務省や文部科学省は、模擬投票など体験型の学習を含め、憲法や政治に
関する教育の充実を教育委員会や学校に促している。』

『懸念されるのは、こうした教育の機会を捉えて一部の教員らが特定の政治的
主張を教室に持ち込むことだ。』

『今年の日教組教研集会でも、中学の授業で「立憲主義」について「権力を
持つ者をしばる」といった説明を強調し、憲法改正を目指す安倍晋三首相を
批判するような授業が報告された。教員の一方的な考えを押しつけたり、
生徒を誘導したりする授業が相変わらず行われているのが実態だ。』

『自民党は主権者としての自覚を促す教育のあり方を検討するとともに、偏向
指導の歯止めも打ち出す方針だ。教員には政治的中立が強く求められ、政治
活動を教室に持ち込むことがあってはならない。早急な手立てが必要だ。』

『学校教育を含めて個人の人権が強調されるあまり、公共の福祉など「公」の
大切さについて教える機会が少なくなかったか。バランスのとれた指導で多様
な見方を育み、政治や選挙への関心を高めていくことが必要だろう。』


【8日付「毎日新聞」『18歳選挙権 参院選へ万全な準備を』

『若者の政治参加に資する動きとして歓迎したい。』

『適用は公布から1年後となるため、来夏の参院選に間に合うよう与野党は
成立を急ぐべきだ。高校を中心とする教育現場での主権者としての教育の拡充
も含め、政府は準備に万全を期さねばならない。』

『選挙権を18歳の若者に認める国や地域は全体の9割超に達しており、
もはや国際標準になっている。引き下げは遅きに失したくらいだ。』

『年齢引き下げに伴い増加する18、19歳の有権者数は約240万人で、
全体の2%程度にとどまる。それでも政党が次代を担う世代をより意識し、
政策に反映させていく契機となることを期待したい。』

『もちろん課題もある。ここ数年の国政選挙は低投票率傾向が目立ち、とりわけ
20代では顕著だ。』

『18歳選挙権が実現すれば高校在学時に投票するケースもでてくる。政府は
副教材配布などを検討している。』

『教育現場で公選法や政治の仕組みをわかりやすく教えることで選挙への関心
を高め、若い世代の選挙離れに歯止めをかける取り組みが欠かせない。模擬
投票の実施や、新聞などを活用して実際の政治課題にふれるなど、多角的な
工夫が必要だろう。』

『今回の引き下げは憲法改正の手続きである国民投票に参加できる年齢の18歳
への引き下げ時期を各党が昨年確定させるにあたり、選挙権年齢についても
「2年以内の法整備」で合意していた事情に伴う。本来の意義や準備に関する
議論が尽くされていないきらいがあるだけに、環境整備を急ぐべきだ。』

『「18歳選挙権」がこれまで遅れた背景には成人年齢や少年法との関係で
根強い異論があった事情がある。少年法との関係で改正案は18歳以上の
未成年者に連座制の対象となるような悪質な選挙違反があった場合は保護処分
とせず、原則として成人と同じ刑事裁判を受けるよう規定した。やむを得ない
判断だろう。』

『選挙で投票できる年齢と成人年齢は必ずしも一致しなくてよいと法務省が
説明するように、選挙権年齢引き下げを先行させた判断は妥当だ。
今後は18歳投票を軌道に乗せるとともに、成人年齢見直しについても議論を
深めるよう各党に求めたい。』


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今から30年以上前、私が都立高校の生徒だった頃。

「登る道は違っても、たどり着く頂上は同じ」と言って、教科書を無視して
自前のプリントを配って倫理社会の授業をする女性教師がいました。

プリントの内容は「731部隊」とか「南京大虐殺」とか、そういう内容でした。

産経紙に『懸念されるのは、こうした教育の機会を捉えて一部の教員らが特定
の政治的主張を教室に持ち込むことだ』との一節がありますが、これは私も
危惧するところです。

どういう思想なら良くてどういうのがダメだとかいうことではありません。

右でも左でも、政治的思想においてまっさらな中高生に、偏った思想を植え
つけるようなことがあってはならないでしょう。

読売紙の『政治的中立を保ちつつ、政党や政策に対する判断力を身につけさせる
指導法の研修や教材作成に力を入れたい』は、その通りと思います。


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今回のテーマは、【18歳選挙権について】です。


編集後記

やはり高校生の頃のこと。

「大相撲の力士が思い切り筋力を強化して筋骨隆々とした体型にしたら強く
なるか」ということを、友人と議論したことがあります。

筋肉質の横綱、千代の富士が全盛の頃です。

「腹が出ていることも重要」
「いや、腹筋が割れるほど筋力を強化しつつ相撲の技を覚えたほうが強くなる」
とか、いろいろ話をしました。

その答えの1つになるかもしれません。

「朝山端(あさやまばな)」という力士が白星デビューしました。
ボディビル出身だそうです。
asayamabana.jpg

私は「大相撲でボディビルダーのような体型はいかがなものか」という考え
なのですが、朝山端の今後に注目したいと思います。

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