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派遣切りについて

【国内主要6紙の本日の社説】

2008年11月27日

(以下、掲載順は日々変更)

【毎日新聞】 『財政審建議 なぜ憎まれ役に徹しない』
       『派遣切り 労働者を使い捨てにするな』

【読売新聞】 『再処理工場 完工へ向けた支援が必要だ』
       『ソマリア沖海賊 海自派遣へ新法の検討を急げ』

【朝日新聞】 『クラスター爆弾―被害者支援で日本案を』
       『農水省―消費者軽視の重い責任』

【産経新聞】 『財政再建 国民に安心与える道筋を』
       『クロマグロ 「魚食文化」を取り戻そう』

【東京新聞】 『内定取り消し 悪質なら企業名公表を』
       『タイ空港占拠 ASEANに影差す』

【日経新聞】 『道路予算は抑制し、事業の重点化を』
       『ドル信認の薄氷踏むFRB』


独断と偏見はご容赦!【最近の社説の、ここに注目】

本日付「毎日新聞」
『派遣切り 労働者を使い捨てにするな』の社説。


『「君は明日で終わりだから」。自動車部品メーカーの工場で派遣で働いて
いた埼玉県の男性(38)は派遣元の営業担当者から突然そう言われた。(中略)
男性は「派遣はいつ切っても平気な道具としか思われていない。年末年始を
どうしのげばいいのか」と憤る。』

『電機を中心に工場などで働く派遣労働者や有期雇用の期間工との契約打ち
切りが一斉に進む。その数は報道されている大手企業だけでも計1万7000
人以上。年末に向けてさらに増えるのは確実だ。非正規社員の「大量首切り」
で景気悪化に備えようとする企業の姿が浮かぶ。』

『突然切られる労働者はたまらない。派遣や期間工の多くは3カ月や6カ月の
短期契約を更新しながら働いているが、更新なしの雇い止めだけでなく、一方
的な中途解約も少なくない。』

『まさしく使い捨てだ。非正規を正社員よりも安い賃金で働かせ、巨額の収益
を上げてきた製造大手が先行きに不安を抱くや、千人単位でばっさり切ること
が許されるのだろうか。増益を見込んだり、多額の内部留保があったりする企
業も少なくないのに、である。』

『企業が正社員を経営上の理由で解雇するには、努力しても他に方法がない
など厳格な要件が必要だが、この考え方は非正規にも通じるはずだ。企業には
再考を求めたい。派遣元も含め、再就職先のあっせんなどにも手を尽くすべき
だ。雇用の不安定は消費低迷を招き、景気悪化に拍車をかけ、社会不安も引き
起こす。企業には重い社会的責任があることを自覚してほしい。』

『政府も手をこまねいている場合ではない。全国の実態を早急に調べ、問題
あるケースがないか監視を強めるべきだ。就職先紹介や住宅あっせん、失業
給付金支給などにも万全を尽くしてもらいたい。』

『派遣では、相次ぐ規制緩和で派遣先の対象が広がり04年から製造業へも
解禁されたことが今日の事態を招いたといえる。派遣は雇用の調整弁に使われ
るとの懸念がまさに現実になった。政府が今国会に提出した労働者派遣法改正
案は、今起きている「派遣切り」問題には無力のままだ。派遣先を専門業務に
限るなどの抜本改正がぜひとも必要だ。』







派遣先からすると、派遣従業員を雇う費用は人件費ではなく、エンピツなどの
事務消耗品と同じ扱いの経費となる。
そういうことからも、使い捨てにされやすい感覚になっているのかもしれない。


今までにも何度か書いたが、私は20年ほど前、零細派遣会社の役員をやって
いたことがある。

事情があって短時間・短期間しか働けない人と、短時間・短期間だけ人を雇い
たいという会社との仲介をする。

未経験者を採用し、短期間でビジネスマナーの教育、及びキーパンチャーと
してのスキルを身につけさせる。

いかに短期間で経費をかけず、最低限のビジネスマナーを会得させ、タッチ
タイピングやワープロの操作などを習得させるか、いろいろと知恵を絞った
ものだった。

派遣される人も、派遣先の会社も、そしてそれにより利益を得る派遣元の会社
(私)も、みんなにとって有益となる仕事だと感じていた。

そんな派遣業も、規制緩和を境に、安易な人材供給所になってしまった感が
ある。

「派遣=悪」とのイメージを持つ方もいるかもしれないが、私はそうは思わ
ない。
派遣労働者という状況に、メリットを感じている人も少なくないと思う。

派遣可能な業種拡大もそうだが、その他にも、更新の連続でいつまでもその
派遣先で働いていられるものとの印象を与えてしまうような状況になってしま
っていることにも、問題があるように思える。

派遣先も派遣元も、やってもらう仕事があるうちは無期限にそれが続くかの
ごとくに派遣労働者を使い、労働者のほうも、自分が希望する限りいつまでも
そこで働けるものと思ってしまう。

そうしたことも、問題の基盤としてあるのではなかろうか。

様々な問題を防ぐため、いろいろな規制が設けられてはいるが、ほとんど効力
を成していない。
抜け道がいくつもあるようだ。

これまでずっと正規雇用者と同じように働いている派遣労働者については、
派遣先において、正社員としては難しければとりあえずは準社員・契約社員
といった形態でもいいから採用するべきだろう。

その上で、今後。

派遣労働は「決められた期間のみ働くもの」或いは「それにより生計を営む
ものではなく生計を補うもの」といった認識を持たれるよう、法令順守の徹底
も含め努めてゆく必要があるのではなかろうか。


【今日の雑感】

安馬関が大関に昇進しました。
それと同時に、四股名も「日馬富士(はるまふじ)」に改めたようです。

確かに、大関が「安い馬」とも読める四股名では、あまりよくないかもしれ
ません。

読み方が今一つしっくりこないのですが、だんだんと慣れてくることでしょう。
詳しくは知りませんが、きっと姓名判断的にもよいのだと思います。

数年後に生まれる子どもたちに、「日馬(はるま)」という名前が流行するほど
に活躍するといいですね。

個人的には、「天馬」という四股名がいいかなと思っておりました。
(「てんま」、或いは今までどおり「あま」と読む)
画数の良し悪し等はわかりませんが。


ところで、伊勢ケ浜親方と安馬関に大関昇進の伝達に来たのは、大島親方。
元横綱・旭富士である伊勢ケ浜親方の師匠です。

旭富士の大関・横綱昇進伝達式の際、一緒に伝達を受けた大島親方が、
今度は旭富士の弟子の大関昇進の伝達を行う...。

なかなか感慨深いものがあります。

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