新聞の社説から世の中を見る【世界の新聞「101紙」の視点】

世界の新聞の社説・TOP記事をあなたに

派遣法改正について

【国内主要6紙の本日の社説】

2009年12月29日

(以下、掲載順は日々変更)

【毎日新聞】
『普天間協議開始 移設の原点を踏まえて』
『1票の格差違憲 国会が担う課題は重い』
(詳しくはこちらへ)

【読売新聞】
『首相インド訪問 新たな大国との関係強化を』
『衆院1票の格差 2倍以内への是正が急務だ』
(詳しくはこちらへ)

【朝日新聞】
『普天間移設 本気で「県外」探ってみよ』
『定数違憲判決 「1人別枠」の是正を急げ』
(詳しくはこちらへ)

【産経新聞】
『憲法改正 首相発言だけで終わるな』
『石川議員聴取 小沢氏は土地疑惑説明を』
(詳しくはこちらへ)

【東京新聞】
『支持率急落 年明け国会が正念場だ』
『診療報酬改定 医療崩壊を防ぐには』
(詳しくはこちらへ)

【日経新聞】
『「失われた20年」に終止符を打てるか』
(詳しくはこちらへ)


【中東メディア 最近の主な社説表題】


日本語で読む中東メディアより

『アンカラから南東アナトリアを覆う、濃く厚い霧』(Radikal紙)
『Blut(血=エスニシティ) と Boden(地=領土)』(Cumhuriyet紙)
『政党への解党命令は合法か』(Radikal紙)
『トルコの抱える新たな問題=左派』(Radikal紙)
『入植を続行するイスラエルと米国の対応』(al-Hayat紙)
『ワールドカップ最終予選から生じたアルジェリアとエジプトの争いの正体』
(al-Quds al-Arabi紙)
『イエメン、ホースィー派とサウジの戦争』(al-Quds al-Arabi紙)


【世界主要紙 最近の主な社説表題】


世界日報さんのサイト世界の新聞は何を言っているか?より

ニューヨーク・タイムズ(米) 『カンボジアとウイグル族難民』
ワシントン・ポスト(米) 『自由の闘士を弾圧する中国』
ガーディアン(英) 『ついに英選挙でもテレビ討論』
ルモンド(仏) 『バチカンとナチズム』
ベルリーナー・ツァイトゥング(独) 『ロシアの人権は厄介な存在』
ストレーツ・タイムズ(シンガポール) 『鳩山首相の評価、拙速は避けよ』
人民日報(中国) 『ネットユーザーとの良い関係』
中央日報(韓国) 『日本はガム程度の金で韓国人を辱めるのか』
フィナンシャル・タイムズ(英) 『リスボン条約後のEU』


【桐鳳オススメのニュースサイト】

新聞コラム社説リンク
国内主要紙・地方紙の社説・コラムへのリンク集です。
業界紙・英字紙にもアクセスできます。

Newseum「Today's Front Pages」
世界各国の新聞のトップページが、新聞紙のレイアウトそのままに閲覧できます。
その数なんと、50~70カ国・500~700紙。
日によって変動はありますが、よく毎日更新できるものです。
PDFで閲覧でき、拡大表示・印刷も可能です。

OpinionSource「Today's Newsletters」
米・英・中・中東・印など主要紙の、最新といってもよい社説が掲載されております。

Google翻訳
テキストやウェブページをその場で翻訳できます


独断と偏見はご容赦!【最近の社説の、ここに注目】

28日付
「朝日新聞」『派遣法改正 労働者保護への方向転換』
「東京新聞」『派遣法改正 労働者保護の第一歩だ』
29日付
「赤旗」『労政審答申/「派遣切り」の教訓に立って』
の社説。


このところ弊誌では、派遣法改正についての話題をよく取り上げている。
先日も、日経社説や、読者の方からいただいたメールを掲載した。

今日は、朝日、東京、赤旗各紙による視点だ。


東京紙は、
「いかに現在の派遣法に問題が多いか」
「これほど苦境に立たされている人がいる」
といったことを力説している。

だから、「派遣法を改正すべき」だということだ。

それについては、全く異論はない。


ただ、
「それでは具体的に、派遣法改正により職を失うかもしれない人に対してはどうするのか」
という点については、説明不足のような気がする。

確かに派遣法改正により、今後は労働者保護が推進されるかもしれない。

しかし、『十一月の完全失業率が5・2%、有効求人倍率は〇・四五倍』とされる状況の中、単に派遣の規制・禁止だけをすればいいものなのだろうか。

『「年越し派遣村」出現は世間に衝撃を与えた』とあるが、派遣法改正により、「派遣村の住民」が更に増える可能性がある。

個人的には、こうした人たちをどうするかということを優先的に、或いは、少なくともセットで考えたいものと思う。


そのあたり、朝日紙では、

『同じ仕事をすれば雇用形態にかかわらず同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金」が、欧州では当たり前だ。すぐには導入できないにしても、実現に向けて努力していくべきだろう』

『非正社員の契約更新の回数や期間にも上限を設け、雇用の「調整弁」頼みの経営が必ずしも得にならないようにしていく』

『非正社員の技能を引き上げ、生かす仕組みも考えたい』

といった、具体案が書かれている。

『非正社員の契約更新の回数や期間にも上限を設け』るということは、以前から私も言っている。

派遣労働者が、「自分が望む限り今の仕事が永遠に続くという幻想」を抱いてしまわないよう、そして、『雇用の「調整弁」頼みの経営が必ずしも得にならないようにしていく』よう、すべきではないだろうか。


また、『同一労働同一賃金』については、日経紙にも書かれていた。

赤旗の言う『「正社員が当たり前」の社会』は理想的だが、現実問題としては難しいものと思う。

特に、派遣法改正により職を失ってしまうかもしれない人に対して、
「理想が実現するまでガマンして下さい」
「しばらく様子を見てダメそうならまた考えます」
などと悠長なことは言っていられないだろう。

そういう意味では、「同一労働同一賃金」は比較的導入しやすく、もちろん解決策にはならないが当面の対処方法としては現実的ではないだろうか。

また、これなら東京紙の危惧する、『年収二百万円以下の働く貧困層(ワーキングプア)が一千万人以上もいる』という『低所得者層の急増』についての対策にもなりそうだ。


更には、赤旗の『「抜け道」をつくらない』というのも、重要な視点だろう。

『派遣労働は、偽装請負や派遣期間制限違反、業務偽装など大部分が違法という驚くべき状態にあります』とあるが、現行の法においても、このような「抜け道」がいくつも存在する。

たとえ理想的な法に改正できたとしても、簡単に「抜け道」を作れてしまうようでは意味がない。

「抜け道」を防ぐ、或いは発見する手立ても、あわせて考えたいところだ。


ちなみに、派遣法改正により「派遣元企業」からも失業者が出たり、派遣元企業そのものが倒産してしまうこともあるかもしれない。

「そんな仕事をしていたヤツが悪い。自業自得だ」といってしまえばそれまでだが、個人的にはそうした人たちの救済策も考える必要があるものと考える。


メルマガ誌上では、社説引用文による要約も掲載しております


今日の雑感

今日は長くなってしまいます。

派遣法改正や年越し派遣村の話題などを見ると、以前、アフリカ在住のCindyさんという方からいただいたメールを思い出します。

----------------------------------------------------------------------

仕事がない?

全部とは言いませんが、不景気で海外援助が機能していない発展途上国の仕事のなさを見てください。
本当にないんです。

(中略)

何でもいい 自分の学歴、職歴を考えずに仕事をする
というなら日本ならいくらでも仕事があるように見えます。
実際、求人広告が出回っているのですから。

----------------------------------------------------------------------

私の住んでいる発展途上国の場合、家族の一人に仕事があれば万歳です。
その仕事は物乞いだったりもします。

(中略)

私は、家の大きなバケツに水が一杯だと幸せです。
減りだして、断水が続くとものすごく不安になります。
電気があるときは幸せです。
電気がないと本当に真っ暗。

(中略)

休日に電気で水を沸かしてコーヒーを飲む、というのはものが私にとってすごく幸せな瞬間です。

----------------------------------------------------------------------

こうした基準を、現在の日本にあてはめてみるのは適切ではないかもしれません。

しかし、前にも書きましたが、日本では「普通」の基準が、明らかに変わってきたように思います。

水洗トイレに追い焚き機能つきの風呂。冷暖房。パソコン。車。ケータイ。
ひねればお湯も水も出てくる蛇口...。

今の日本では、それが「普通の暮らし」です。

いわゆるフリーターといわれる人たちや、初めて一人暮らしをする人たちでも、こうした生活を享受している人がたくさんいることと思います。


私が生まれた40年ほど前の私の家には、電話も、冷暖房も、車も、洗濯機も、風呂も、トイレも、お湯の出る蛇口もありませんでした。

私が一人暮らしを始めた20年ほど前も、似たようなものでした。

月収、十数万。
六畳一間、風呂・トイレなし。

それが20年ほど前の、社会人スタート時の当たり前の姿だったように思います。


派遣切りに遭ってしまった方々。
本当にお気の毒です。

しかし、どういう経緯からそうなってしまったのでしょう。


いわゆる就職氷河期で仕事に就けなかった?

そうした方は、派遣村に集まった方のうち、どのくらいの割合を占めているのでしょうか。

また、大学卒業時、「六畳一間、風呂・トイレなし」という生活ができるような仕事さえなかったのでしょうか。


以前、新聞で、「体を壊して仕事ができなくなった」という人の記事を読んだことがあります。

家具がほとんどない部屋。(トイレくらいはありそうでしたが)

その部屋の真ん中に座り、その方がタバコを吸っている写真が掲載されていました。

「カネがないなら、体を壊してるなら、まずはタバコをやめなよ」
失礼ながら、そうツッコミたくなってしまいました。


私は仕事柄、この20年ほどの間に、延べにして数百~千人単位のアルバイトの人たちと身近に接しております。

いわゆるアルバイトや派遣従業員、偽装請負の人など、様々です。

そうした仕事をしている人たちに共通して感じるのが、
「今現在のことしか考えていない」
「目先の損得に執着し過ぎる」
「自分が望む限りここで働き続けられると思っている」
ということです。

そして、ほぼ例外なく、先ほど書いたような「普通の暮らし」をしております。

また、休日にはパチンコ・競馬です。
喫煙率も非常に高いです。

もちろん、そうでない人もいます。

しかし、そういう人は、比較的短期間のうちに転職してゆきます。


これまで真剣に人生を考え、できる限りの努力をしてきたにも関わらず、自分の力ではどうしようもできないような苦境に立たされている方については、本当に救ってあげたいと思います。

しかし、数十万人にも及ぶ失業者の方々は、皆さん本当にそうした人たちばかりなのでしょうか。
正直、疑問に感じます。

全ての人を同じように救済しようと考えてしまうと、本当に救済が必要な人に、必要な支援が行き届かなくなってしまわないでしょうか。


以上、なんだか筋の通らない雑文になってしまいましたが、このところの派遣法改正がらみで、ふと思ったことです。

批判必至でしょうが。

また、奇しくも、ちょうど1年前の注目社説コーナーも、こうした話題でした。
よろしければ、ご覧になってみて下さい。


【本日、あなたが最も共感しなかった社説は?】


2009年12月29日












締切:2009年12月30日22時00分
Powered By クリックアンケート
「あなたが最も共感した社説は?」アンケートを、メルマガ誌上にて実施しています

メルマガ登録解除
バックナンバーpowered by まぐまぐ!
まぐまぐ殿堂入り
メルマガ購読
世界の新聞「101紙」の視点

読者登録規約
バックナンバー
powered by まぐまぐ!
サイト内検索
カレンダー
最近のブログ記事
カテゴリー
月毎アーカイブ
ホームページ作成 大阪

このページのトップへ